<日朝実務者協議>被害者の家族会メンバーが街頭で救出訴え

<日朝実務者協議>被害者の家族会メンバーが街頭で救出訴え 9日から始まった日朝実務者協議に絡み、拉致被害者の家族会メンバーらが同日、東京・銀座などで「もう我慢の限界だ!拉致被害者全員の救出を!」と書かれた横断幕を手に、被害者全員の救出を訴えた。家族会代表の横田滋さんは「進展がなければ経済制裁も含め、政府は強い姿勢で臨まなければいけない」と声を張り上げた。(毎日新聞) - 11月9日19時39分更新

 我々は、北朝鮮による日本人拉致事件に関して、勿論義憤を抱いているが、はっきり言えば、「たまに思い出す」程度だ。

 しかし、横田めぐみさんのご両親をはじめ、拉致被害者の家族の方々は、この数十年、一日たりとも忘れたことなどないわけで、事実横田さんご夫妻は、旅行はおろか、外食することもまれだという。いつ、めぐみさんから連絡があるか、わからない、というのが、その理由である。


日本海沿岸の人々は何十年も前から、北朝鮮による、日本人拉致を知っていたし、日本政府も公式には知らないことになっているけれども、知らなかったはずが無いのに、四半世紀に亘りこの問題を放置し、漸く、一昨年、北朝鮮が拉致の事実認めたら、とりあえず5人を帰国させて、今年になって、その家族が日本に移住した。
 横田めぐみさん他の拉致被害者に対して、どうしてもっと真剣に取り組まないのか。

 韓国に亡命した元北朝鮮の特殊工作員安明進(アン・ミョンジュン)という人物は、北朝鮮拉致工作員という本の中で、北朝鮮が日本人を拉致するときのやり方などについて、驚くほど詳細に語るとともに、確かに、横田めぐみさんを見たと証言している(それは、北朝鮮が、めぐみさんが死亡した、と説明している時期よりも後なのである)。

 当然非公式に外務省の役人は安明進氏に会っていろいろと国民に公表していない事実を知っているはずだ。我々は知らなくてもいいから、横田さんのご両親に真っ先に教えて差し上げるべきだろう。

 拉致被害者家族が今日の集会で訴えたとおり、全ての被害者を日本に帰すまでは、米一粒たりとて、援助しないと、どうして強気になれないのか。ミサイルなんて簡単に打って来やしない。金正日は日本からの米とカネがのどから手が出るほど欲しいのだから。北朝鮮の国力なんて、日本の200分の1しかない。そんな国にまでナメられてはいかん。
# by j6ngt | 2004-11-10 01:46

ファルージャ情勢緊迫

◆記事1:ファルージャ西部に突入 米軍、交通遮断し空爆

 【バグダッド8日共同】AP通信によると、イラク駐留米軍は8日未明、中部ファルージャの西部にある同市の主要病院と、ユーフラテス川に架かる2本の橋に部隊を突入させ占拠した。武装勢力掃討のための大規模なファルージャ制圧作戦を始めた可能性もある。

 ファルージャは米イラク両国部隊が包囲し、同市南部では断続的に砲撃も実施している。郊外の住民によると、同市北部一帯でも7日夜、激しい空爆や砲撃音が絶え間なく聞こえた。米軍はイラク暫定政府が7日発表した非常事態宣言に基づき、交通を遮断して町を孤立させた。

 米軍が占拠した病院の院長は「米軍の病院支配は正しくない。抵抗勢力への医療支援を止めようとしている。彼らは病院が誰のものでもないということが分かっていない」と批判した。(共同通信) - 11月8日12時27分更新


◆記事2:イラク政府、60日間の非常事態宣言…治安悪化で

 【カイロ=岡本道郎】イラク暫定政府は7日、北部クルド地域を除くイラク全土を対象に、初の非常事態宣言を発令した。期間は60日間。

 中部ファルージャの武装勢力壊滅を目指した米・イラク軍の大規模軍事作戦開始が迫る中、不測事態の防止を図るとともに、武装勢力側が最近、イスラム教スンニ派三角地帯やバグダッド周辺など各地で攻勢に出、6、7の両日だけで50人以上の死者が出るなど治安状況が極めて深刻な事態に陥っていることに対応したものと見られる。(読売新聞) - 11月8日1時39分更新

 非常事態宣言は、また、暫定政府として、強権発動によってでも来年1月の国民議会選挙を予定通り実施するとの不退転の決意を、内外に強く示したものと言える。


◆記事3:サマワも厳戒態勢=テロ活発化懸念、検問強化-陸自新たな不安材料・非常事態宣言

 【サマワ8日時事】イラク暫定政府がクルド人自治区を除くイラク全土に非常事態宣言を出した7日、陸上自衛隊が駐留するイラク南部サマワでは外部武装勢力の侵入を防ぐために、警察と国家保安隊が協力して検問の強化を始めた。サマワ市内はイラク警察が、サマワと外部を結ぶ郊外の道路は国家保安隊が受け持ち、厳戒態勢を敷いた。

 現地治安当局は、米軍が中部ファルージャで大規模制圧作戦に踏み切った場合、反発するイスラム教スンニ派や旧政権残党の武装勢力が、暫定政権が支持されているサマワで、多数派のシーア派や自衛隊など多国籍軍へのテロを活発化させることを懸念。陸自派遣部隊も新たな治安の不安材料を抱えた形で、これまで以上に宿営地への砲撃や移動中の警備強化を強いられる。 (時事通信) - 11月8日7時0分更新


◆記事4:サマワ、非戦闘地域との認識に変わりない=首相


 [東京 8日 ロイター] 小泉首相は、イラク暫定政府が非常事態宣言を発令したことを受けて、陸上自衛隊が活動するイラク南部サマワの治安情勢について、非戦闘地域であるとの認識に変わりない、と述べた。 首相官邸で記者団に対して述べた。 非常事態宣言を受けたイラクの治安情勢について小泉首相は、「(来年)1月の選挙を実現させようというイラク政府と、それをなんとか妨害したいテロリストのせめぎ合いだろう」との認識を示した。


◆コメント:米軍の武力行使は、明白な違法行為なのに、これを止めることができない国際社会。

 第2次大戦後、国連が組織されて、国連憲章が制定されたことにより、戦争放棄を謳った憲法第9条を持つ日本だけではなく、全ての国(厳密には国連加盟国)が武力行使を行うことは、原則として禁止されている。

 武力行使の違法性が阻却されるのは、他国の侵略を受けて、個別的自衛権を発動する場合(個人になぞらえれば、正当防衛)、そして、国連安全保障理事会が法的な手続きにのっとり、紛争地域への多国籍軍の派遣を決定した場合、の2つしかない。

 昨年3月20日に米国がイラクに対して戦争を始めた時には、この2つのうち、どちらにも該当していなかった。大量破壊兵器の有無は関係がない。結果的には大量破壊兵器はイラクで見つからなかったわけだが、たとえ、当時、イラクが大量破壊兵器を持っていたとしても、それが自動的に、国連の決議も経ずに、アメリカによる単独行動を許すものではなかった。 これは、私の主観的な解釈ではない。客観的、論理的思考から必然的に導かれる結論である。

 以下は、私の主観である。アメリカの責任は、一言に集約させるならば、イラクに侵略して世界を混乱させていること、世界に暴力を行使しやすい「ムード」を創ってしまったこと(世界中でテロが増えているという意味だ)である。その罪は言葉で言い表せないぐらい重大である。それが全く分かっていないジョージ・ブッシュがあと4年も大統領を続けるのかと思うと、暗澹たる気持ちにならざるを得ない。

 私の所感は以上であるが、国際社会、具体的には国連安保理は何もしないのか。開催すらしないのか。開催して、米国に対して武力行使停止を求める決議をするのが、本来有るべき姿だが、アメリカが拒否権を発動することはほぼ100%明らかだから、無駄だから、開催しない、ということでは、安保理の存在意義がない。あの常任理事国の拒否権というのは、廃止した方が良い。国連に加盟する150を超える国の殆どが賛成していても、常任理事国が1国でも拒否権を発動すれば、どうしようもないというのは、明らかに、人間の自然な道義感に反している。


◆コメント:「非戦闘地域」か「戦闘地域」かというレトリックの問題ではない。

 自衛隊のイラクでの活動地域は「非戦闘地域」に限られているから、小泉首相は躍起になって非戦闘地域ではない。という。これには、役人の入れ知恵が有って、「戦闘」とは主権を持つ「国家」又は「国家に準ずる主体」同士の継続的な交戦状態を意味する、というのである。

 しかし、今はそういう言葉遊びをしている場合ではないのではないか。イラク暫定政権が国家非常事態を発動して、アメリカとこれに抵抗する反武装勢力が、ベトナム戦争以来の悲惨な市街戦を始めようとしている。
 そういう場所に、日本の防衛のために組織された自衛隊がいることは、間違っている。

 イラク人は、謂わば、全員反米勢力だと思う。たまたま、今は、スンニー派で、武器を持って、ファルージャにいる勢力だけを「反米武装勢力」と呼んでいるが、一般のイラク人も、いい加減、アメリカ人や外国の軍隊がいることに腹を立てて、気が立っている。日本人が標的になりうることは、先日殺された、香田氏が教えてくれたばかりではないか。
 彼らは、死ぬ気で突っ込んでくる。日本の自衛隊は法律上、こちらからは攻撃できないのだ。自爆テロがつっこんできたら、まず、つっこませておいて、こちらに被害が出てからではなければ、武器を使用して応戦できない。また、日本の自衛隊は実戦経験などないのだから、どのようなパニックに陥るかもわからない。そんな危険な状態なところで、人道支援活動も無いだろう。撤収するべきである。

# by j6ngt | 2004-11-08 21:58 | ニュース