「日本の中学生が1、2位 仏、バイオリンコンクール」←誰も知らないだろうから、取り上げる。

◆記事1:日本の中学生が1、2位 仏、バイオリンコンクール

【パリ7日共同】フランス北部ブーローニュシュルメールで開かれた若手バイオリニストの登竜門、「メニューイン国際コンクール」のジュニア部門(16歳未満)で6日、宮城県多賀城市の中学1年、郷古廉君(12)が優勝、東京都世田谷区の中学2年、三浦文彰君(13)が2位になった。

郷古君は仙台育英学園秀光中等教育学校1年。5歳の時からバイオリンを始め、2004年には全日本学生音楽コンクールの小学生の部で優勝した経験がある。

今回のコンクールではショーソンの「詩曲」など3曲を演奏した。

三浦君は東京学芸大付属世田谷中2年。コンクールではバッハのバイオリン協奏曲2番などを演奏した。(共同通信) - 4月7日21時40分更新


◆記事2:メニューイン国際バイオリン・コン:ジュニア部門 日本人が1、2位独占

日本の音楽関係者に7日、入った連絡によると、フランスのブーローニュ・シュール・メールで6日まで開かれていた第11回ユーディ・メニューイン青少年国際バイオリン・コンクールのジュニア部門(15歳以下)で

日本の郷古廉(ごうこすなお)君(12)=仙台育英学園秀光中1年=が1位、三浦文彰君(13)東京学芸大付属世田谷中2年=が2位に入った。

同コンクールは若い演奏家の世界的な登竜門の一つで、これまでジュニア部門では神尾真由子さんが優勝している。

郷古君は一昨年の第58回全日本学生音楽コンクール小学校の部全国1位、三浦君は同東京大会2位。

郷古君は音色への感性、ボーイング(弓づかい)の良さなど豊かな才能で小学生のころから大きな注目を集めていた。【梅津時比古】(毎日新聞 2006年4月8日 東京朝刊)


◆コメント:この手のニュースは、全く無視されるが、大変な重みを持っているのだ。

クラシックを題材にしたマンガがよく売れているらしいが、私は、あの表紙を見ただけで、「作者がクラシックを好きで描いているのではない」ことが良く分かる。

細かく指摘することも出来るが余りにも大人げないから、止めておく。

あのマンガの読者は、クラシックの曲の名前をちょこっと知っていると、何となくカッコいい、というので読んでいるのかと思ったら(それでも不愉快だが)、

Amazonのカスタマーレビューで、「クラシックを題材としてこれほど笑えるマンガは無い」というコメントを読み、一挙に血圧が上がった。

ちゃらちゃら、笑っていられる世界ではないのだ。


◆私が、専門家でもないのに、書く理由。

「本当の」音楽の世界は生やさしいものではない。ということを私はこれまでも何度も書いてきた。

玄人が読んだら「知ったかぶりしやがって」と思うだろうし、素人は「きどりやがって」と思うだろう。それも承知している。



だが、プロは上手くて当たり前で、お客様である素人に向って「自分たちがやっていることはこんなに大変なのですよ」というようなことを云わないし、また、云うべきではない。

だからと云って誰も何も云わなければ、素人はこの想像を絶する厳しい世界を知らずに、「いいとこの坊ちゃん、お嬢ちゃんが苦労もせずに、世間も知らずに気取った音楽を弾いている」と考えるだろう。

私にはそれが、我慢できない。

だから、何と言われようが、知ったかぶりと云われようが、書く。

「音楽は崇高な芸術である。本当の音楽家になるために要求される訓練の厳しさは、絶対に一般人の想像の及ぶところではない」


◆弦楽器は日本人に向いている。

オーケストラの楽器の中では、弦楽器、木管楽器が日本人に合うようだ。

金管楽器は狩猟民族の楽器である。狩りの信号として使われたわけである。日本人は今ひとつである。



世界で活躍している一流の弦楽器奏者はユダヤ人とアジア人である。何故かは分からない。

白人でも純粋のアングロサクソンとか、ドイツ人の源流・アーリア民族はヘタクソである。

私はロンドン駐在中、頻繁にコンサートで欧米の一流オーケストラを聴いた。ベルリンフィルもウィーンフィルも、何度も聞いた。

しかし、こと、弦楽器に関しては、サイトウ・キネン・オーケストラが一番優秀だったと、断言できる。

会場に来ていた英国人が「信じられない」と驚嘆していたのを思い出す。


◆郷古廉君、三浦文彰君、おめでとう。

私は、今回入賞した二人の演奏を聴いたことがないので評価は出来ない。はっきり云って、この年齢では、これからどれぐらい伸びるか、何とも言えぬ。

日本の弦楽器、ことにバイオリンのレベルは非常に高く、単に「上手い」という子なら、私たち素人が聴いたら天才としかいいようがない才能がゴロゴロいる。

ショーソンのポエム(詩曲)やバッハのコンチェルトなどは、完全にプロのリサイタルやコンサートで弾かれる「芸術」作品であるが、将来プロになるつもりなら小学生で弾けて当たり前なのである。



「メニューイン」とはバイオリニストの名前である。既に故人だが、自分自身大変な名人だった。

名人でも、後進の育成に全く興味を示さない人が多いが、メニューインは、若い才能の発掘に極めて熱心だった。東洋人

の感性が好きだったようだが、下手な奴を上手いということは絶対になかった。



現在の審査員は、世界各国の専門家から構成されている。

はっきり云うと、白人は東洋人に西洋音楽の優れた才能があることなど、出来ることなら認めたくないのである。

今回のコンクールで日本人が1位と2位を取ったということは、どうにもこうにも文句の付けようがない、彼らを差し置いて、彼らよりも下手な西洋人を優勝させるわけにはいかなかった、ということだ。

下手な奴を優勝させたら、そのコンクールは権威を失うからである。

このように考えてみると、日本の二人の少年が成し遂げた偉業は、正確に、そしてもっと大々的に報道されるべきだ。

但し、テレビ局がよくやる愚行だが、この子たちを「スター」又は「芸能人」のように扱ってはならぬ。

彼らの「修行」は始まったばかりなのである。


by j6ngt | 2006-04-10 04:27 | 音楽


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