首相「殺されてもいい気構え」森氏の翻意要請拒否←9日の長崎と15日の戦没者追悼式はどうでもよいのか?

◆首相「殺されてもいい気構えだ」、森氏の翻意要請拒否

 

 小泉首相は6日夜、首相公邸で森前首相と会談し、郵政民営化関連法案が否決された場合の対応などを協議した。

 森氏は「党も国民も心配している。この時期に選挙をして、どういう意義があるのか」と衆院解散の回避を求めた。首相は「(郵政民営化は)おれの信念だ。殺されてもいいぐらいの気構えでやっている」と拒否した。
 森氏はなおも、「法案可決で努力した人たちが解散で路頭に迷ったらどう責任を取る」と迫った。首相は「おれは総理大臣だ。郵政民営化をずっと言い続けてきた。絶対に可決する。可決のため努力してくれ」と応じた。

 森氏が「あなたも変人以上だな」とこぼすと、首相は「それでいいんだ」と語ったという。

 会談後、森氏は「はっきり言って、さじを投げた。解散阻止なんてできない」と記者団に語った。(読売新聞) - 8月6日23時9分更新


◆コメント:駐日米国大使が9日、長崎の原爆犠牲者追悼式に出席するという案があったが、ホワイトハウスの反対で取りやめ、だそうです

 

 河野太郎(河野洋平のジュニア。親父さんの生体肝移植で、自らドナー=臓器提供者となり話題になった)衆議院議員のメールマガジンは「ごまめの歯ぎしり」といって、支持者以外の人間--私もそうだが--にかなり読まれている。

 昨日の彼のメルマガによると、8月9日(火)、長崎の原爆犠牲者追悼式に駐日米国大使が出席するという案があったらしいが、本国(ホワイトハウス)の「激しい反対」に遭って、取りやめになったそうだ。

 厳密に調べていないので、100%自信をもって断言することはできないが、広島・長崎における原爆犠牲者の追悼式に駐日米国大使が出席したことは、未だかつて無い。

 民間の米国人で追悼式に参加する人は大勢いる。

 私が鮮明に記憶しているのは、作曲家・指揮者であった故・レナード・バーンスタイン氏(あの、「ウェストサイドストーリー」の作曲者ですよが日本に来て、8月6日の早朝から、ロウソクを持って、日本人と一緒に、鎮魂歌を歌っていた光景である。なかなかできることでない。

 このことからも分かるように、追悼式は死者を追悼するための儀式であり、核廃絶を訴えるけれども、アメリカに対する恨み辛みを叫ぶと言うような、野蛮なことはしない。

 追悼式にアメリカ人が居たために、袋だたきにされた試しはない。この辺りが日本人のインテリジェンスである。

 だから、米国大使が出席して、戦争の勝ち負けは別に死者を弔っても良さそうなものだと思う。

 特に、日本は近年、アメリカが勝手にはじめたイラク戦争の後始末のために、50億ドルもの支援金を拠出することを決めているし、私は今も反対だが、自衛隊をイラクへ派遣した。

 ますます、原爆犠牲者追悼式や8月15日に、武道館で行われる「全国戦没者追悼式」に、アメリカ大使が出席するぐらいのことをしてくれても良さそうなものだ。

 出席しないのは、セキュリティ(大使の警護)の問題ではないだろう。自国(米国)の原爆で殺された20数万人の犠牲者を弔うという意思を見せたくない、ということであろう。

 「ホワイトハウスから猛烈な反対」ですか。そうですか。やはり米国は日本をその程度にしか見なしていないのですな。
 にもかかわらず、日本人で、「米国と一緒に戦争をすることが出来るようにするために、日本は集団的自衛権の行使を可能にするべきだ」、と主張する人がいる。気が知れない。

 とにかく、アメリカ大使は9日の長崎に出ない。

 問題は、明日8日に衆議院を解散すると、日本の首相も衆議院議長も、9日の長崎と15日の終戦記念日に不在となることである。


◆相手が韓国人や中国人だと何でも言うが、白人には何も言えない日本人。
  

 話が逸れるが、漫画の嫌韓流とかいう本が飛ぶように売れているらしい。そんな本出してどうするの。韓国人(黄色人種)相手に態度がでかくても誰も感心しないよ。

  日本人は、同じ黄色い肌の人間には横柄だが、白人を相手には全然強く出られない。というか、殆ど何も言えない。

  これほど露骨に相手によって態度を変えるのはみっともない。

  そもそも、「嫌韓流」という発想。政治や外交を論じるときに、好悪という「情緒」を基準に、ことを運ぶべきではない。
  司馬遼太郎の「燃えよ剣」において、(これは小説であり、勿論本当に本人がそう発言した記録があるわけではないが)土方歳三のセリフに

 「好き嫌いを述べるのは女子供のやることだ。男は仕事に好き嫌いを持ち込むべきではない」

 という趣旨のものがある。同感である。

 こう書くと、「お前は、米国を散々嫌って居るではないか」、とか、「あなた、小泉さんが嫌いでしょう」とか言われそうだが、私は「好き嫌い」で書いているのではない。

 私は、アメリカのクリーブランド交響楽団は確実に世界の5本指に入る超一流オーケストラであると考えている。彼らの演奏を聴くのは大好きである。

 ボストン・ポップス管弦楽団(ボストン交響楽団が夏の間だけ、名前を変えるのだ)=アーサー・フィードラー指揮、による「ルロイ・アンダーソン名曲集」、ことに「トランペット吹きの子守歌」、「トランペット吹きの休日」は、一体、何千回聞いて、自分でも何百回吹いただろう?

 シカゴ交響楽団で50年間首席トランペット奏者をつとめた、「肝心なところで絶対にミスしない」ことで知られ、世界中のオーケストラトランペット奏者から「神様」と呼ばれている、アドルフ・ハーセス氏を尊敬している。

 しかしながら、だからといって、「米国のイラク侵攻が正しい」とは、口が裂けても言えない。

 一方、小泉首相に関しては、私は、彼の政策が間違っていたり、十分な説明をしていないことが、彼の職務に鑑み不適当であるということを述べている。

 個人的に好きとか嫌いとか関係はない。むしろ、(あり得ないが)個人的に知り合いになったら、小泉さんも私も音楽好きだし、ロンドンにいたことがあるし、話をしたら結構面白いおっさんだろうと思う。

 だが、それと、彼の仕事に対する評価は、全く別の次元の話である。

 「『日本人は、白人に対してものが言えない』というがお前はいえるのか?」と問われれば、まだ、少ししか書いていないが、アメリカ人の読まれることを想定して、JIRO's words from Tokyoという英語のBlogを開いた、というのが、私の答である。


◆8日に解散したら、9日の長崎と15日の戦没者追悼式に出る首相も衆議院議長も居ないということですな?

 

 いうまでもなく、8月6日、9日、15日は、日本人が絶対忘れてはいけない日である。政治的思想の如何に関わらず、戦争で亡くなった人を忘れるべきではない。

 明日、参議院が郵政民営化法案を否決したら、小泉首相は衆議院を即刻解散するのだそうだ。

 衆議院議員は解散の瞬間、議員ではない、ただの人になる。

 内閣総理大臣は国会議員の中から選ばれなければならないから、解散したら、首相は一旦、居なくなる。衆議院議長も国会議員ではなくなる。

 すると、大事な、9日の長崎と15日の日本武道館には、首相も衆議院議長も不在ということになる。日本の政治家がこの日をおろそかにして、いいのですかねえ?

 解散しても構わぬが、せめて、日本人にとって一番忘れてはならない日のセレモニーにおける仕事を済ませてから解散するべきではないだろうか。


by j6ngt | 2005-08-07 15:39 | 郵政民営化


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