郵政民営化は要するに政争の具だから、国民にピンと来ないのだ。

◆記事:亀井派の永岡洋治衆院議員、自宅で首つり自殺

 

 1日午前10時5分ごろ、自民党の永岡洋治衆院議員(54)(茨城7区、当選2回)が、東京都世田谷区上祖師谷2の自宅で、階段の手すりにネクタイを結んで首をつっているのを家族が発見、119番通報した。

 病院に搬送されたが、約2時間後に死亡が確認された。警視庁成城署は、自殺とみて関係者から事情を聞いている。遺書は見つかっていないという。

 永岡議員は7月末、選挙区の茨城県古河市に帰り、30、31日には地元の行事に出席していた。上京予定を1日早めて31日夜、世田谷の自宅に戻ったという。同事務所は「なぜこういうことになったのか分からない」と話している。

 亀井派に所属しており、郵政民営化法案を巡っては、党総務会では反対したものの、先月5日に衆院で5票差で可決された際は賛成に回った。

亀井派の同僚議員の秘書は「(郵政問題が)死を選ぶような理由だとは到底思えない。何か思い詰めるようなことがあったのだろうか」と話した。
 1日夕方以降、自宅には党関係者らが次々と弔問に訪れた。亀井静香・元政調会長は、「あってはいけないことが起こった」と、沈痛な面持ちで語った。


◆コメント:郵政民営化の問題点と対処について、全く国民に説明がない

 

 またか。と思う。

 永岡代議士は亀井派である。

 亀井派は、郵政民営化に反対している。亀井派の集まりでは、永岡代議士は「郵政民営化反対」の意見だった。

 しかし、衆議院での投票の直前、自民党の中枢部から「反対に投票したら、次の選挙で応援してやらないぞ」と脅かされ、つい、民営化賛成に投票してしまった。

 これで、亀井派の中では裏切り者扱いされ、週刊誌にも名前が出て、それを大変気に病んでいたという。

 気の小さい人だ。もともと、政治家には向いていなかったのだろう。非常に気の毒だ(皮肉ではない。本当にそう思う)。


 ◆郵政民営化法案を巡っての動きは、推進派も反対派も如何にも醜い。

 

 【推進派の胡散臭さ】

 推進派には、何故、先日、元・北朝鮮拉致工作員、安明進が国会で証言したとおり、北朝鮮に拉致されている、日本人の同胞がいるのにもかかわらず、郵便局を先にやらなければならないのか、と問い質したい。

 また、民営化したあと、過疎地の郵便局は本当に維持されるのか、はっきりとした答えがない、というような、法案そのものに曖昧な点がある。

 【反対派の胡散臭さ】

 一方、反対派は、国民の利益を考えて民営化に反対しているのではない。

 特定郵便局長が自民党保守勢力にとって、強力な集票マシーンであり、郵便局が民営化されたら、彼ら(特定郵便局長会)の支持を失う。

 すなわち、選挙に当選できるか、極めて怪しくなる。そういうことばかり考えている。


◆こういうのを「国民不在」という。

 

 今の政局では、各々の政治家が自らの派閥と、他の派閥の力関係を比べたり、小泉首相のように、自分の名前を歴史に残すために、何でも良いから郵政民営化法案を通したい、
 など、要するに、政治家エゴばかりにプライオリティがおかれている。
 郵政事業が民営化されたあと、国民には、今の郵便や、郵貯・簡保の利便性が確保できるのか、説明が為されていない。

 政治家にとって、一般庶民は、選挙の時を除いては虫けら同然なのだろう。「国民不在」とはそういう状態だ。


◆郵政民営化法案は否決されて、衆議院解散、総選挙が望ましい。

 

 これだけ、国民が舐められていてはたまらない。

 参議院で郵政民営化法案が否決されれば、衆議院解散と言われている。

 大新聞の論説委員どもは口をそろえて、「それは、避けるべきだ」、と書いているが、どうしてかわからない。

 郵政民営化にしろ、サラリーマン増税にしろ、国民の真意を問うべき重大な問題である。衆議院解散がのぞましい。

 今、総選挙をしたら、民主党が与党になりますから、民主党は必死に準備してくださいね。

 郵政事業より、まず、北朝鮮の日本人を救出して欲しいものだ。


by j6ngt | 2005-08-02 00:23


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