死者88人に-エジプト保養地テロ ←テロはロンドンだけではない。

◆記事:死者88人に=アルカイダ系組織が犯行声明-エジプト保養地テロ(エジプト、23日)

 

 【カイロ23日時事】エジプトの紅海沿岸の保養地シャルムエルシェイクとナアマベイで23日未明(日本時間同日午前)に発生した同時多発爆弾テロによる死者は23日夕(同24日未明)までに88人、負傷者は200人に達した。ロイター通信などが報じた。

 エジプトで起きたテロとしては、1997年11月に南部のルクソールでイスラム過激派が日本人10人を含む観光客58人を殺害した事件以来の惨事となった。

 警察筋はAFP通信に対し、英国人2人を含む外国人9人が死亡したと述べた。在カイロ日本大使館によれば、これまで日本人が被害に遭ったという情報はない。(時事通信) - 7月24日1時4分更新


◆記事2:車爆弾で40人死亡 警察署に突っ込む バグダッド(イラク24日)

 

 【シャルムエルシェイク=加納洋人】ロイター通信は二十四日、イラク駐留米軍の話として、バグダッド東部で爆弾を積んだトラックが警察署に突っ込んで爆発し、警察官ら少なくとも四十人が死亡、二十五人が負傷したと伝えた。自爆テロとみられる。

 駐留米軍などによると、死者のほとんどは市民で、荷台の二百二十キロ爆弾は警察署の正門に突っ込んだ際に爆発。警察車両二台を含む車二十台以上が炎上し、付近の商店なども破壊された。地元テレビが放映した爆発現場の映像では、地面に大きな穴が開いており、爆発のすさまじさを物語っている。
 バグダッド周辺では過去十日間に二十件以上の自爆テロが発生し、二百人以上が死亡している。

 大半がイラク移行政府管轄下にある警察や治安部隊の施設が標的となっており、来月中旬に迫る新憲法起草期限に向け、米主導による政治プロセスの妨害を狙う武装勢力の反発が激化している。(産経新聞) - 7月25日2時58分更新


◆記事3:<パレスチナ>武装勢力がイスラエル夫婦を射殺 ガザ地区(パレスチナ、24日)

 

 パレスチナ・ガザ地区中部で24日未明、イスラエル人の車が銃撃され、乗っていた中年夫婦が死亡した。

 現場付近のイスラエル軍が応戦し、武装したパレスチナ人2人を射殺した。

 パレスチナ解放機構(PLO)主流派ファタハ系の武装集団アルアクサ殉教者団とイスラム原理主義組織イスラム聖戦などが襲撃を認めた。(毎日新聞) - 7月24日23時8分更新


◆記事4:<イラク>自動車の自爆テロ2件 14人死亡、30人負傷(イラク25日)

 

 【カイロ高橋宗男】バグダッド中心部で25日朝、自動車爆弾による2件の自爆テロがあり、警察によると、少なくとも14人が死亡、約30人が負傷した。AP通信が伝えた。

  警察当局などによると最初の爆発は同日早朝に、サディールホテル近くの検問所で発生し、警備員ら12人が死亡。

 さらにこの約3時間後には、元大統領宮殿にある警察関係施設でも自爆テロがあり、警官2人が死んだ。(毎日新聞) - 7月25日22時7分更新


◆コメント:ニュースで「日本人の死者はいない模様」とすぐに付け加えるのは、あまり感心しない。

 

 7月7日のロンドン同時多発テロでは52人の死者が出た。場所がロンドンだから、犠牲者は主に西洋人である。

 日本人は西洋人、ことに白人が死ぬと大騒ぎする。

 勿論、それだけが理由ではなく、ロンドンには、全盛期ほどではないにしても、日本人駐在員が大勢住んでいるし、観光客も多い、ということも理由だろう。

 しかし、エジプトで23日に起きた自爆テロでは、88人の死者が出ており、7月7日のロンドンの犠牲者(52人)よりもずっと多いのに、誰も話題にしない。



 エジプトは、アラブ諸国の中では、最も、穏健派で、西よりだが、中立的な国だ。 過去、何度他国が間を取り持って、アラブ、イスラエル紛争を終わらせるため、両者を交渉のテーブルにつかせた。

 結果的には、アラブ=イスラエル紛争(=パレスチナ問題)はいまだに解決していないが、こういうときに、エジプトが何度も、会見の場所として選ばれた。

 謂わば、西側自由主義国ととイスラム世界の架け橋のような役割を果たしていて、その意味では、大変重要な国家なのだ。

 皮肉なことに、その「立派さ」がイスラム過激派には気に入らないのだろう。「なまじ、アメリカにも媚びを売りやがって」、ということだ。

 しかし、何も自動車の自爆テロで抗議することは無かろう。死んだのは殆ど、イスラム過激派の同胞であるアラブ人なのだ。アラブ人同士で殺し合いが始まったら無茶苦茶なことになる(イラクでは既に、それが、始まっているが)。



 日本のテレビ、新聞は、この事件を「一応」報道した。
 だが、テレビニュースを聴いていて気になったのは、いつものことなのだが、「大勢の死傷者が出たが、日本人はいない模様」という一言が必ず加えられる習慣である。

 「日本人が死んでいないなら、まあいいや」、という日本人全体の意識を反映しているように思われる。

 白人が死ぬのは気の毒だが、アラブ人ならどうでもいいのか?

 記事2と記事4は、イラクで2日連続して生じたテロである。記事2を見よ。

 「バクダッド周辺では過去10日間に20件以上のテロが発生し、200人以上が死んでいる」という。 そんなことは、日本では報道されず、専らロンドン・テロの52人の死者にばかり、関心が向く。これは、良くない習慣である。

 記事3は、アラブ=イスラエル紛争である。これは、もう、本当に絶望的で、イスラエル人とパレスチナ人は人類が滅びるまで殺し合う呪われた運命にあるのではないか、と、ひどいことをつい、考えてしまう。

 ガザ地区やイスラエルで、殆ど毎日のように、この類の殺し合いが行われていることを意識する日本人は殆どいない。

 私もうっかりすると忘れる。

 だから、忘れないように、日記に書いている。


by j6ngt | 2005-07-25 23:39 | ニュース


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