「尼崎事故、特異な「転覆脱線」か」 今、客観的に言えることは、「原因はまだ不明」ということだ。

◆尼崎事故、特異な「転覆脱線」か…死者106人に

兵庫県尼崎市のJR福知山線で25日朝、快速電車が脱線した事故で、県警と尼崎市消防局などは28日、先頭車両から高見隆二郎運転士(23)の遺体を含む計9遺体を収容した。今回の事故で確認された死者は計106人になった。

 鉄道事故で100人以上の犠牲者が出たのは1963年に起きた横須賀線(横浜市)の鶴見事故以来で、戦後6件目。

 一方、今回の事故は、カーブ内側にあたる右側の車輪が浮き上がり、そのまま先頭車両が軌道から逸脱して左側に倒れ込んだ「転覆脱線」だった可能性が高いことが28日、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会の調べでわかった。

 過去にも国内で転覆脱線は起きているが、今回のように速度超過や急ブレーキが原因になったとみられる転覆脱線は極めて特異なケースで、事故調ではメカニズムの解明を急ぐ。

 過去の脱線は、運転ミスや踏切事故などを除くと、車輪とレールの間の摩擦がなんらかの原因で高まり、車輪がレールに接触しながら乗り越える「乗り上がり脱線」、または「せり上がり脱線」と呼ばれるケースが多い。2000年3月の営団地下鉄(現・東京メトロ)日比谷線の事故も乗り上がり脱線だったとされている。これら乗り上がり脱線では、左右のレールや、レール間の枕木に、車輪が乗り越えていった傷や痕跡が明確に残るのが特徴だ。

 ところが今回の事故現場を事故調が調べた結果、〈1〉右側の車輪がレールに残した傷跡が見当たらない〈2〉レール間の枕木やバラスト(敷石)上を右側車輪が走った痕跡がない〈3〉左側レールの頂部にも乗り上がり脱線特有の傷がない――ことが判明した。

 過去の転覆脱線としては、1978年2月、営団東西線が荒川鉄橋上で竜巻を受け車両2両が転覆した事故のほか、2003年7月に長崎県諫早市でJR特急かもめが落石に衝突して転覆、乗客ら37人が重軽傷を負った事故などがある。しかしこれらはいずれも、強風や落石など外的要因によるものだった。

 これに対して福知山線事故は、速度超過と急ブレーキという、運転ミスが引き金になったと見られており、事故調は「従来とは全く異なるケース」と認定。救助作業終了を待って、事故現場のレールや車両を詳しく検証する方針だ。(読売新聞) - 4月28日16時44分更新


◆コメント:はっきりしているのは、「事故の真相はまだわからない」ということだ。

  

 一切の主観を排除して、一連の状況を見た場合、現時点でいえることは、

 「福知山線の脱線事故によって、104名の犠牲者が出た。しかし、事故の真相、事故発生のメカニズムは解明されていない。」ということだ。


◆マスコミは情緒的な報道を先行させるが、それは、正しくない。

 

 事故で亡くなられた方々は、何も悪いことをしていないのに、無念にも突如、その命を奪われた。

 そのことは、「お気の毒」とか月並みな言葉では到底表現できぬ。

 しかし、現時点では、事故の原因が不明なのである。何でもかんでもJRを怒鳴りつけて良いという訳ではないのだ。

 誤解のないように書いておくが、私は「JRに責任がない」と言いたいのではない。「まだ、真実は分からないのだ」ということを強調したいのである。



 マスコミは「JR西日本が運転手に過剰なノルマを課しており、運行ダイヤから少しでも遅れると、運転士は厳しい譴責処分を受ける。今回も直前の駅で40メートルをオーバーランをしてしまったが故に、高見隆二郎運転士は、その遅れを挽回しようとして、カーブにオーバースピーとで突入し、その結果脱線した」、という「シナリオ」を作っているが、それは、状況からの「推測」でしかない。

 本当にこの車両は、このカーブを当時の速度で走ったら、脱線するような物理的条件が揃っていたのかは、分からない。

 真実が分からない時点で、「気の毒な被害者とその遺族」「過酷な運行を運転士に要求していたJR西日本の経営責任」という図式を、すでに決定事項の如く扱うのは、ジャーナリストとして、正しい態度ではない。


◆繰り返す。今、言えることはただ一つ。

 

「事故の真相は不明である」ということだ。


by j6ngt | 2005-04-27 09:36


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