「北朝鮮元工作員 安明進氏『横田めぐみさんは生きている』」 マスコミが騒がないのは何故かな?









◆記事:北朝鮮元工作員 安明進氏「横田めぐみさんは生きている」(毎日新聞の取材に答えて)

 

 北朝鮮の元工作員、安明進(アンミョンジン)氏(36)=93年韓国亡命=が、平壌で開かれた日朝実務者協議に関連し、毎日新聞のインタビューに応じた。安氏は北朝鮮から「遺骨」など多くの「証拠」が提供された拉致被害者の横田めぐみさん(行方不明時13歳)について「生きている。夫は日本人」との見方を示した。

 安氏はこれまでに、めぐみさんが88~92年ごろ工作員養成機関の金正日(キムジョンイル)政治軍事大学で日本語教官をしていたと証言。今回提供されためぐみさんの写真のうち1枚は、同大学敷地内で撮影されたと推測している。

 北朝鮮側は、めぐみさんの遺体を2年半後に掘り返し火葬したと説明したが、安氏は「男性社会の北朝鮮で妻の墓を移動するのは考えにくい」と疑問視し、骨が高温で焼かれた点を「個人では高温で焼く施設は使えない。国が別人の骨を施設で焼き、鑑定不能にした」とみている。

 夫とされる人物が特殊機関勤務を理由に写真撮影などを拒んだ点は「国交正常化したい北朝鮮は、一工作員の活動より国の方針を優先するはず。応じなかったのは別人だから」と話し、実際の夫は「元在日朝鮮人や現地の人とは考えにくい。日本人拉致被害者の可能性が高い」と語った。

 また、めぐみさん以外の被害者にかかわる証拠の大部分は「焼却し残っていない」という説明には「工作機関は20年、30年後に再び資料を使うことを考えるので、処分したりしない」と述べた。(毎日新聞) - 11月24日10時39分更新


◆コメント:そもそも、安明進氏が書いた本が、拉致問題を暴いたのだ。

 

 安明進氏は、脱北した元北朝鮮特殊工作員で、日本人拉致をする側にいた、人物である。

 工作員として訓練を受けていくなかで、自由世界の情報を細かく知り、自分のやっていることが恐ろしくなって、韓国に亡命したのである。

 この人物が、「横田めぐみさんを1988年に見た」とはっきり証言したことから、日本は拉致問題に取り組まざるを得なくなった、といって良い。単行本では、1998年に出版された、北朝鮮拉致工作員の中で、著者が実際に彼女を見た時の様子が詳細に述べられている。その他、北朝鮮の特殊工作員がどれほど、無茶苦茶と形容するしかないほどのハードな訓練を受けて、どのようなことを教えられているかを知ることができるこれは、貴重な本である。

 安明進氏は、昨年、横田めぐみは生きているという本をわざわざ書いたぐらいで、読んでみると分かるが、単に小遣い稼ぎの為に書いたのではない。私がそう判断する理由は後述する。

 先日の日朝実務者協議で、北朝鮮は真っ黒に焦げた骨を出してきて、「めぐみさんは死亡した」というので、毎日新聞が、安明進氏に、はっきり言えば、殺された可能性があると思うかどうか、韓国の安明進氏を訪ねた訳であるが、記事にあるとおり、極めて明確に、死んだ可能性を否定している。


 

 北朝鮮拉致工作員を読むとわかるが、横田めぐみさんは、北朝鮮の高官の子弟(一説によれば、高官どころか、金正日の子供たち)に日本語を教える立場にあり、つまり、非常に地位が高い人物なのであり、殺すなど、とんでもない、というのが、安明進氏の主張の根拠となっている。

 多分、彼は、本には書けないけれども、横田めぐみさんが生きていることに関して、もっと確かな証拠を握っているのであろうが、それが、日本の新聞経由で、北に流れるとまずいので、話していないか、或いは、話したが、毎日新聞の判断で、伏せているのだろう。

 「北朝鮮拉致工作員」を読むと、拉致された日本人がどのような仕事をさせられ、どこに住んでいるのか、まで書いてあり、作り話にしては、詳細に過ぎる。

 それにしても、横田めぐみさんが生きていると、元北朝鮮特殊工作員がはっきりと証言した、と毎日新聞が伝えても、政府も、他のマスコミも全然無反応なのは、一体どうしたことか?不思議におもいませんか?


◆拉致問題をうやむやにしようとする、日朝両政府の非人道性

 

 11月21日(日)に書いたが、日本政府と北朝鮮は、「横田、有本、増元の3家族を諦めさせることが出来れば、拉致問題は片づく」と考え、さっさと決着をつけたいのであろう。

 そこに、「横田めぐみさんが生きている」という証言が信憑性が高い筋からもたらされたことを迷惑におもっていて、スクープした毎日新聞以外のマスコミ各社に対して、「この話には触れないように」圧力を掛けていることが容易に想像できる。

 日本政府が、本当に、本気で、どんなことをしても横田めぐみさんを助けよう、と考えているのであれば、「本当か?もっと詳しく教えてくれ!」と今日中にでも外務省の役人が韓国の安明進氏のところへ飛んでいくべきではないだろうか。

 拉致問題についての、政府の誠意のない、わざと問題解決を遅らせているのでは?と疑問を抱かざるを得ない対応をみていると、「やはり、残りの拉致被害者は北の言う通り、亡くなっていた」で、この問題を終わらせようとしているのだと見なされても仕方がない。

 小泉首相も与党の奴らも、外務省の役人も、血も涙もない人非人だ。


 

 それにひきかえ、横田めぐみさんのご両親は、本当に立派だ。安明進氏の本が出版された後、ご夫妻は彼に会いにいった。

 安明進氏は今は、すっかり自由世界の人間となっており、金正日体制の崩壊を望んでいるのだが、かつて、拉致工作員であった、という過去は消えない。

 当然、横田夫妻からも激しい怒りをぶつけられると観念していたのだが、めぐみさんの母君から、

 「貴方(安氏)も、ご家族を北に残して来られて、さぞ、お辛いでしょうね」と、思いがけぬ慈悲深い言葉をかけられ、一瞬、唖然としたあと、号泣したという。

 私が安明進氏の証言が口から出任せではない、と考える理由はそこにある。

 彼はめぐみさんに助かって欲しいとおもっているのだ。

 ところが肝心の日本の政治家、役人には「気合い」が感じられない。情けない話だ。




# by j6ngt | 2004-11-24 17:12

「社説:大義なき戦争の歴史的評価を恐れよ」(毎日新聞) 言い出すのが遅いが、趣旨は概ね正しい









◆記事:「大義なき戦争の歴史的評価を恐れよ」(本日付毎日新聞社説)

イラク・サマワに派遣されている自衛隊の目的はイラクの「復興支援」が建前だが、本音は「同盟国・米国支援」である。

 自衛隊はイラク南部の比較的安全な地帯に閉じこもり、武装勢力の攻撃に神経をぴりぴりさせているのが実態だ。

 アーミテージ米国務副長官の「ブーツ・オン・ザ・グラウンド」(地上部隊を出せ)などの発言がなければ、そもそも自衛隊派遣はなかったかもしれない。

 つまり、日本政府は「復興支援」とはいいながらも、イラクよりは米国を向いているのが本音だ。

 そして、日本と同様に、イラク戦争参加の多くの政府が対米関係重視から軍派遣を決めている。

 しかも、イラク戦争反対の国内意見が多数で、各国政府は国内世論と対米関係の微妙なバランスをとるのに苦慮している。

 結局、ブッシュ米政権の主張に全面賛成し、イラク戦争に積極参加したのは英豪など少数だった。

 日本はこの「有志連合」に建前では入っていない。日本の参加は「戦闘支援」ではなく、「復興支援」という立場だったからだ。

 「復興支援」ということで、「戦争放棄」を定めた憲法9条の制約も逃れた形となっている。

 しかし、実際には日本は「有志連合」に入り、「米主導のイラク戦争に参加した」と、広く世界では受けとられている。

 だから、日本は武装勢力の攻撃対象となり、すでに犠牲者がでているほか、今後、自衛隊関係者が狙われる可能性もある。

 イラク戦争の現状は厳しい。泥沼化といっていいかもしれない。 そして、最大の問題は、この戦争が歴史的に肯定的に評価される可能性が少ないことにある。

 つまり、のちに、日本は誤った戦争に自衛隊を送ったと総括されかねない状況にある。

 現実に、戦争の理由だった大量破壊兵器は発見されず、フセイン政権と国際テロ組織「アルカイダ」との関係も証明されていない。

 現在米国が主張している独裁政権打倒や中東民主化のための戦争という理論には日本はもともと賛同していない。

 戦略的に重要な国である米国との関係を損ないたくないという小泉政権の自衛隊派遣は短期的には正しい決定かもしれない。

 しかし、歴史的には日本は「大義なき戦争」に参加したとの評価につながる可能性を秘める。

 第一次大戦後、英国はインド・中東の権益を守るため、強引にイラク国家を樹立させたが、反英暴動からアラブ民族主義が吹き荒れ、とどのつまり、フセイン独裁政治へと突き進んだ。イラク近代史は現在の混乱と二重写しとなってよみがえる。

 歴史に残るような誤りに日本は関与すべきではない。誤りを正すのに躊躇(ちゅうちょ)するなかれ。自衛隊の速やかな撤退を考えるべきだ。(毎日新聞 2004年11月23日 東京朝刊)


◆コメント:「『大義なきなき戦争』に参加したとの評価につながる可能性を秘める」は間違い。既に、そう評価されている。

 

 本日付の毎日新聞の社説をまるまる引用した。

 最初にテクニカルなことに触れておく。

 私が毎回、元となる情報を、blogでやるようにリンクしないで、原則として直接引用するのは、新聞記事にリンクしてもせいぜい数ヶ月で、削除されてしまうからである。

 毎日新聞の社説は、現在、9月1日から今日までの社説はバックナンバーとして読むことができるが、それ以前のものは削除されている。

 一般の記事、特にYahoo!Newsなどポータルサイトのニュースサービスの記事はせいぜい1週間で削除される。私が原則として新聞記事にリンクしないのは、そのためである。


 

 さて、本論である。毎日新聞が本日付の社説で述べていることは、概ね正しい。人道復興支援は建前で、本音は米国支援である。と断言している。

 私自身、過去にここで何回そう書いたか分からないし、常識と、普通の知能がある日本人なら、そんなことは誰でも、わかる。

 ところが、大手新聞の社説で、それを言い切った例は、なかなか、無いのである。真っ向から政府を批判するわけであるから、新聞社として取材を規制されるとか、要するに国に睨まれる危険があるということなのだろう。それにもかかわらず、書いたという決断は、評価するといいたいところだが、いささか、遅きに失した。


 

 新聞は、時の政権の政策の誤りを指弾するのが、その重要な任務である。

 国家権力が怖くて、御用新聞、大本営発表の宣伝機関になる新聞なら、ない方がマシだ。

 その意味では、何故もっと早くから、継続的に、自衛隊イラク派遣反対、イラク撤兵のキャンペーンを張る新聞がでないのか、不満だった。今もまだ、手ぬるいと思う。

 新聞は、事実を正確に伝えるとともに、正しい物の考え方を、読者に示す役割をも担っている。
 この社説に、「戦略的に重要な国である米国との関係を損ないたくないという小泉政権の自衛隊派遣は短期的には正しい決定かもしれない。」という一節があるが、それは違う。

 国際社会は、国際法をルールとしている。米国のイラク攻撃はこのルールを破った。違法行為である。

 いくら同盟国であろうが、違法行為を行った国の支援をするために、こともあろうに、日本を防衛するための最小限の実力であるところの自衛隊を、イラクに派遣するという決定は、短期であろうが、長期であろうが、日本政府の間違った判断である。


 

また、「歴史に残るような誤りに日本は関与すべきではない」という一節がある。
 今頃何を言っている。既に、十分、関与しているではないか。少なくともイラク人の多くは、そう考えている。
 ところが、日本政府はなんとか、イラクへの自衛隊派遣延長を正当化する材料を作らなければならない。そこで、つぎのようなプロパガンダ記事が、読売新聞に載っていた。


 

◆自衛隊の支援継続、イラク外相が町村外相に要請(読売新聞) - 11月23日3時8分更新
 【シャルムエルシェイク(エジプト東部)=尾山宏】町村外相は22日昼(日本時間同日夜)、シャルムエルシェイクのホテルで、イラク暫定政府のゼバリ外相と会談した。
 ゼバリ外相は「サマワにいる自衛隊はすばらしい働きをしている。日本がイラク国民とともにあるというシンボルであり、政治プロセスが完了するまで自衛隊にはイラクにとどまってほしい」と述べ、少なくとも来年末の本格政権発足までは、自衛隊による復興支援を継続してほしいと要請した。

 これに対し、町村外相は「国内で論議しているが最終的な結論には至っていない。困難なときに助けるのが真の友であり、今後とも支援を続けていきたい」と述べた。



 

これを文字通り受け止める人はかなり、人がよいか、思慮が足りない人である。

 今のイラク暫定政権は、アメリカのロボット政権である。アメリカの言うことには逆らえない。

 そこで、自衛隊派遣期間の延長に対する国内、与党内の反対論に困っている小泉首相がブッシュに、「イラクの外相に、『自衛隊駐屯の継続を希望する』と言うように、命じてくれ」と頼む。

 アメリカは忠犬ハチ公なみに従順な日本の首相のたっての頼みに、よしよし、いいだろう、というわけで、「マチムラという日本の外務大臣がお前のところに来たら、自衛隊に居続けてくれ、と云え」。

 イラク暫定政府「かしこまりました」となる。あまりにも見え透いている。


◆小泉首相は、自衛官に犠牲者が出ても撤退するつもりはない。

 

 毎日新聞が先週からイラク派遣期間延長を前に特集を組んでいる。

 冒頭に述べた原則に早くも反しているが、全ての文章を引用するとあまりにも長いので、ここは、リンクを貼らせて頂く。

 保存しておきたいと思ったら、紙2001か、WeBoXなどを用いて、ページを保存しておかれると良いだろう。

  迫る「12・14」イラク派遣延長問題/1「もう一つの9条」に首相直面迫る「12・14」イラク派遣延長問題/2「存在」が最大の目的に迫る「12・14」イラク派遣延長問題/3 3種類の「延長幅」という、3本の記事である。

 かなり生々しい、官邸や防衛庁内部から取った情報が載っている。

 これを読むと、如何に、現在の日本政府が、ということはつまり小泉首相には、「アメリカ追従」という目標しか頭にないかが、わかる。涙がでるほど、情けない。

 いくつか、重要な意味を持つ部分を以下に記す。



◆「10月のデータを見てもイラクでは銃器を使った襲撃事件が週に500件以上起きている。これはもはや犯罪というレベルではない。戦闘状態としか表現できない」。首相官邸関係者ですら、そう口にする。

◆陸上自衛隊の幹部は「派遣時に出口を決めておくべきだった。政府内での出口戦略の議論に参加したこともあるが、結局、結論は出なかった」と戦略不足を率直に認める。

任務の終了はいつ訪れるのか。それが見えないまま、第4次派遣隊の約500人が今月中に順次、サマワに入り、第3次隊と交代する。

◆外務省内ではこんな「うわさ」も流れている。「米大統領選の後、首相が森派の幹部に『もしケリー(民主党候補)が勝ったら、自衛隊を引いたかもしれない』と打ち明けたそうだ」。しかし、ブッシュ大統領が再選された今、もはや仮定の話は成り立たない。首相官邸筋は「延長しなかったら、ブッシュは烈火のごとく怒りますよ」と撤退論をはねつける。


 

 特に最後の外務省内の噂は聞き捨てならない。小泉首相はケリーが大統領になったら、自衛隊を撤退させたかも知れないと森派の幹部に打ち明けたそうだ・・・。

 裸の王様の寓話と一緒で、本当は皆、知っている。

 小泉首相にとって、国際社会に貢献することなど、本当はどうでも良く、ブッシュの意向に如何にして沿うか、が至上課題なのだ。

 しかし、ここまでひどいとは・・・・。個人の私欲のために、数百人の自衛官の生命を危険に晒すことが、許される筈がない。

 何せ、アメリカ国民は、ブッシュに対して「イラク戦争は正しかった」というメッセージを送ってしまった(ただし、49%のアメリカ人は、イラク戦争は間違っていることを知っている)。

 ブッシュの次の狙いはイランだろう。そして、小泉君が内閣総理大臣の地位にいるかぎり、どこまでもアメリカに尻尾を振って付いていくだろう。

 それを防ぐのは、世論である。小泉政権は、米国支持を打ち出すと、支持率がどんどん下がるという現象を作ることだ。それは次の選挙では、必ず自民党が負けることを意味する。そうなったら、自民党が放っておかない。

 日頃から、首相官邸に抗議をする人が増えると効果的だ。一回やれば慣れる。


 11月18日の日記で首相官邸ホームページの「ご意見箱」に抗議の投書をした、と書いた。
 昨日、返事が返ってきた。といっても、いつも同じだが・・・。



 

 小泉総理大臣あてにメールをお送りいただきありがとうございました。いただいたご意見等は、今後の政策立案や執務上の参考とさせていただきます。
 皆様から非常にたくさんのメールをいただいておりますが、内閣官房の職員がご意見等を整理し、総理大臣に報告します。あわせて外務省、外務省、内閣官房安全保障危機管理担当、防衛庁へも送付します。

 今後とも、メールを送信される場合は官邸ホームページの「ご意見募集」からお願いします。(内閣官房 官邸メール担当)






# by j6ngt | 2004-11-23 17:11

「集団的自衛権の行使容認、自民が憲法改正大綱原案」そんなに戦争がしたいですか?









◆記事:集団的自衛権の行使容認、自民が憲法改正大綱原案(11月17日)

 

 自民党憲法調査会(保岡興治会長)がまとめた憲法改正大綱の原案が16日、明らかになった。

 安全保障では、「自衛軍」を設置し、集団的自衛権の行使や国際貢献活動における武力行使を認めているのが特徴だ。
 主要政党の中で、憲法改正の包括的な案をまとめたのは今回の自民党が初めて。同党はさらに議論を進め、来年11月に憲法改正草案を決定する方針で、与野党の改憲論議は加速しそうだ。

 大綱の原案は、今年1月に始まった同調査会の論議を基に、調査会幹部がまとめた。前文のたたき台となる「基本的考え方」のほか、「総則」から「改正」まで9章からなる。

 現憲法にはない総則では、憲法の3原則として、国民主権と基本的人権の尊重、「積極的に国際平和の実現に寄与する」とした「新たな平和主義」を明記した。さらに「国旗は日章旗、国歌は君が代とする」との内容を盛り込んだ。

 憲法9条に代わり、「平和主義」の章で、戦争放棄と非核3原則を盛り込み、「国家緊急事態及び自衛軍」で、具体的に〈1〉個別的、集団的自衛権を行使するための必要最小限度の戦力を保持する自衛軍を設置する〈2〉自衛軍は、国際貢献のため、武力行使を伴う活動をも任務とする――と定めている。


◆コメント:自民党は、どうしてそんなに日本を戦争が出来る国にしたいのですか?

 

 「主要政党の中で、包括的な改憲案をまとめたのは、今回の自民党が初めて」だそうだが、早ければ良い、というものではありませんね。

 憲法ですよ。日本国の最高法規ですよ。こういう仕事を拙速というのです。

 第一、憲法前文はどうするのか書かれていないではないですか。

 憲法前文には憲法の基本的な思想が要約されているのですから、それを書かずに、いきなり各則をまとめても、「何故、集団的自衛権を認めることに変更するのか」が分かりません。

 今の憲法前文は、立派ですよ。 


 

日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。


 一番重要なのは「われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。」というくだりです。平和を維持するという努力を通じて、国際社会で、名誉ある地位を占めたい、と宣言しているのです。
 そして、第9条では、国際紛争を解決する手段として、戦争、武力による威嚇、武力による行使は永久にこれを放棄する、と言い切っている。

 これをまとめると、日本は、武力を使わないで、世界平和に貢献し、名誉ある地位を占めたいと思う、ということになります。非常に崇高です。世界でこんな憲法持っているところはない。


◆日本の平和憲法は、世界的既成事実

 

 1999年5月、オランダのハーグ(正しくは、デン・ハーグですね)で開催されたされたハーグ平和アピールの最終日に、「公正な世界秩序のための10の基本原則」が発表されました。

 そしてその、第1原則は「各国議会は、日本国憲法第9条のような、政府が戦争をすることを禁止する決議を採択すべきである」と謳っているのです。 

 実際に、日本の憲法9条、戦争放棄は海外でも有名なのです。イラク戦争が始まってから、私は面倒だけれども、色々な国、の英語の記事を読みましたが、BBCも、クウェート国営放送も、Voice of Americaも、The Economistも、その他、皆、「日本は憲法により、武力を行使することを禁じられている」と書いていました。

 日本が武力行使が出来ないと言うことは、最早、既成事実として国際世論に定着しているのです。


◆わざわざ、戦争をする国になることに、意義が認められない。

 

 しかし、集団的自衛権を認めるとか、海外での自衛隊の武力行使を認める、という改憲案は、その対極にある考え方でしょう。

 集団的自衛権というのは、「日本が武力行使を受けていなくても同盟国(要するにアメ公)が攻撃されたら、日本に対する攻撃と見なして、アメリカと一緒に相手に武力で反撃する」ということですね。現行憲法と正反対です。

 私が不思議に思うのは、太平洋戦争後、60年間、平和憲法を維持してきたこの国を、何故、今、「戦争が出来る国」に変える必要があるのか?ということです。その必然性が認められません。自民党改憲案に賛成する人は、この点について、論理的な説明をして下さい。


 

 自分の国をアメリカに守って貰っているようでは、一人前の国家とは言えない?子供の国ですか?良く耳にします。感情的な反応です。幼稚です。

 そういう人たちは、海外で武力行使をするようになって、集団的自衛権を行使することにしたら、アメリカとの同盟関係を破棄せよ、と、いうのですね?在日米軍を追い出すのですね?そうでしょう?アメリカ軍に守られているのが半人前なんだから、一人前になるためには追い出さないとだめでしょう?

 彼らは残りますよ。絶対。そうしたら、結局、実態は変わらないではないですか。

 そもそも、戦争をする国が一人前の国なのでしょうか。海外へわざわざ兵隊を送って、人殺しをする国が「大人の国」「一人前の国」だというなら、半人前の国のままでいいとおもいます。武力が平和に役立つかどうか、これだけ、イラク戦争の惨状を見てもわからないのでしょうか?

 武力行使をしない国、つまり人殺しををしない国が「子供の国」という考え方が根本的におかしいでしょう。武力に頼らず、紛争を解決することこそ、インテリジェンスが必要だ。大人の国です。


 

 また、既に日本は、随分さまざまな場面で「国際貢献」しています。それをアピールするのが下手なのです。

日本の優れた工業製品によって、世界中の人間がどれほどたすかっているか。どれだけ多額のODAを行ってきたか。

 国連加盟国は150国以上もあるというのに、日本1国だけで、20%も払っているのです。

 ウィーンフィルのオーボエやホルンを作っているのはヤマハです。

 ウォークマンで、誰もが音楽を場所を選ばすに聴けるようになった(個人的には、ところ構わず音楽を聴くのは感心しないが、これは、余談です)。日本人が作ったのです。

 ユーロトンネルで、イギリスとフランスがつながったのも、日本のトンネル技術者の支援があったからです。

 どこが半人前なのでしょう?

 あの、馬鹿デカいアメリカに比べたら、日本は、カリフォルニア州一州と同じほどの面積しかなくて、しかも多くは山で、人が住めるところは限られている、この小さな国が世界第二位の経済大国なのですよ。


 

 結論は、日本は、決して戦争をしない、と憲法で決めて、その通りにしてきたことで、一目置かれているのです。それが、イラク戦争ではブッシュの言いなりになって、あっという間に海外に兵隊を出したことで、馬鹿にされている。協力してやっている(するべきではなかったのですが)アメリカとイギリスからも「小泉?ああ、あいつはいい奴だよ」とコケにされている。国際貢献=軍隊を海外に出して戦争すること、という自民党の一部の人々の考え方は間違っている。

 如何にして、武力紛争を食い止めるか、そこに我が優秀な日本人の知恵を投入するべきであると、私は考えます。




# by j6ngt | 2004-11-22 00:00