<   2005年 10月 ( 31 )   > この月の画像一覧

今放送中のN響アワー、「幻想交響曲」のすすめ。(改訂版)

◆N響アワー、始まってしまったが、皆さんDVDレコーダーとかお持ちでしょうから、4,5楽章だけでも録画して聴いてください。

 

 今夜、幻想交響曲というのをやります。

 大きなお世話なのだが、幻想交響曲のCDを買って聴いてくださいというのは、なかなか書きにくいが、NHK教育テレビなら、録画しておいて、DVD±RWとか、HDDレコーダなら、気に入らなければ消してしまえば良い。

 私はNHKはこういう番組を放送するだけでも十分存在価値があると思っている。

 イギリスに住んでいたときに分かったが、西洋音楽の本場、西洋には、このような、オーケストラコンサートを録画録音して、それに専門の作曲家が易しい解説を加える、などという親切なものは存在しないのだ。

 それは、皆知っているからでなく、ヨーロッパの一般大衆もクラシック音楽については、日本の普通のひとと同様或いはそれ以下の関心しか、持っていないからである。


◆ベルリオーズという人の作品です。
 

私は、中学生の頃「幻想交響曲」を聴いたとき、てっきり、現代音楽だと思った。

 それほど革新的な作曲技法が用いられている。

 しかし、後に調べてひっくり返るほど驚いた。

 「幻想交響曲」が初演されたのは、かの有名なベートーベンの「第九交響曲」が初演された(1824年)、わずか6年後なのである。



 まず、オーケストラ編成がその当時としては信じられないぐらい、大規模である。

 ティンパニが二対(二個じゃないですよ。ティンパニ奏者は大多数の交響曲では一人だが、この曲では二人いるのだ!)、チューバが二本、その他木管も四本ずつの四管編成。ハープも二台。


◆ベルリオーズは正式な音楽教育を受けていない。

 

 普通作曲家は絶対音感があって、何十段もあるオーケストラ・スコア(総譜)を頭の中で鳴らして書く。

 ピアノで音を出してみなければどんなメロディーか分からない、どんなハーモニーか分からない、という程度の耳の人は、作曲家にはなれない。
 それでも、大抵の作曲家はものすごくピアノが上手い。ベートーベンの交響曲のスコアを目の前に置くと、メロディーと和声進行を瞬時に見抜いて、ピアノで弾くことが出来る。

 ベートーベン自身、幼い頃から親父に散々しごかれた。(ベートーベンの親父はしまいにはアル中で、廃人になったが、ベートーベンの才能をいち早く見抜き磨きをかけたという点で、やはり、天才だったのだ)。

 ベルリオーズは何の楽器も弾けなかった。両親は彼を医者にしたくて、医大に進ませた。一応通ったが、医学に興味は湧かなかった。

 とにかく、ベルリオーズは子どもの頃、正規の音楽教育を一切受けていなかった。 絶対音感だけで、頭の中で完璧に、大編成のオーケストラを演奏することが出来た。

 これが天才でなくて、何だろうか。


◆ストーカーだったベルリオーズ。

 

 ベルリオーズはフランス人だが、アイルランド出身のシェークスピア女優、ハリエット・スミスソンに猛烈な片思いをして、熱狂的な手紙を無数に送って、スミスソン嬢を死ぬほどおびえさせた。

このころ、ベルリオーズは全く無名だったのだ。それでも念願が叶って、後に二人は結婚するが、10年で離婚した。



 「幻想交響曲」は、その自分の体験と、英国の文学者、トーマス・デ・クウィンシーが書いた「阿片常用者の告白」という本からヒントを得た、「標題音楽」と呼ばれるものである。
 ある芸術家が失恋の末にアヘンを飲んで自殺を図るが致死量に至らず、幻想を見る、という「ストーリー」を音楽で表した作品だ。

 しかし、考えてみたら、こんなことは、「幻想交響曲」のCDを買えば、ライナーノーツに必ず書いてあるからこれ以上書かない 

 全曲聴かなくていいから、第二楽章(非常に美しいメロディーのワルツ)、第四楽章、「断頭台への行進」(幻想の中で芸術家は彼女を殺して死刑宣告を受け、ギロチンへ送られる)と第五楽章(終楽章)だけでも、ちらりと聴いてみてください。

 「断頭台への行進」は名前は縁起でもないが、非常に闊達な音楽だ。

 第五楽章の冒頭のテーマは二本のテューバで演奏されるが、元はグレゴリオ聖歌から取られている。

 最後はオーケストラの各楽器のパートがめまぐるしく動くがそれが見事に重なり、壮大な音の建築物となる。

 こんなものをピアノを弾けないのに書いたベルリオーズは、文句なしの天才である。人間業とは思えない。 


◆おすすめCD

 

 幻想といえば、これ、というぐらい有名な演奏はシャルル・ミュンシュ指揮、パリ管弦楽団である。しかし、あまりにも定番なので、もう一つ。

  パリ・バスティーユ管弦楽団、指揮は、韓国のチョン・ミョン・フンである。

 チョン・ミョン・フンは姉がバイオリニストのチョン・キョン・ファで、この人は間違いなく、世界的名手である。

 弟のチョン・ミョン・フンも指揮者ではあるが、ピアニストとしても成功したと思われる。何せ、チャイコフスキーコンクールで2位に入った、というすごい経歴があるのだ。

 その後、パリオペラ座の音楽監督を務め、ウィーン・フィルの定期演奏会に呼ばれる(それだけで超一流の証拠)し、アムステルダム・コンセルトヘボウ、アメリカのフィラデルフィア・オーケストラ、英国のフィルハーモニア管弦楽団の客演に呼ばれており、優秀な音楽家であることを裏付けている。

 紹介した「幻想交響曲」CDのオーケストラは失礼ながら超一流ではないのに、そのオーケストラから驚くほど美しい響きを引き出している。


◆「幻想」は一度生で聴いてみてください。

 

普段馴染みのないひとはクラシックの演奏会を非常に、窮屈に感じるようだ。
 それは、一つの原因は回りと同じタイミングで拍手しなければ、と、思いこんでいるからである。

 そんな「決まり事」はどこにもない。つまらなければ、拍手をしなくても一向に構わない。
 「ブラボー」なんて叫ぶ人も多いが、大抵は単なる目立ちたがり屋である。人間、本当に感激したら、しばらく声などでないものである。

 そんなことはどうでも良いし、幻想交響曲が作曲された背景とか、自分で書いておいて何だが、ベルリオーズの生涯について勉強する必要などさらさらない。ただ聴けばよい。

 幻想交響曲のようなフルオーケストラの迫力は、再生機器を通しては絶対に分からない。これこそ、身体で聴く音楽である。

 第4楽章、第5楽章(終楽章)のフォルティッシモを聴く快感は、電気的に増幅された「大きな音」を聴くのとは、全く異質のものである。

 咆哮する金管セクション、炸裂するパーカッション(打楽器)、地の底から響いてくるようなティンパニ・・・。

 ある時、私がN響の「幻想」を聴きに行ったときに、どこかの高校生達が、課外授業(音楽鑑賞)で大勢来ていた。

 最初はつまらなそうな顔をしていたが、第4楽章のマーチが終わったところで、あまりの迫力にすっかり興奮してざわめきだし、第5楽章の演奏開始がしばらく遅れたのを覚えている。

 私は、その時、少しも嫌な気がしなかった。高校生諸君の素直な感受性が嬉しかった。


by j6ngt | 2005-10-30 21:31 | 音楽

「年内の牛肉輸入再開に期待 町村外相」←町村さん、精神鑑定を受けた方が・・・・。

◆記事1:年内の牛肉輸入再開に期待 町村外相

 【ワシントン28日共同】訪米中の町村信孝外相は28日、ワシントン市内のホテルで、記者団に対し、米国産牛肉の輸入再開問題について「年内には再開できるのではないかという見通しは持っている」と述べ、解決に期待感を示した。

 外相は「率直に言って時間がかかりすぎている」と指摘。日本の対応の遅れを認めた上で、31日に予定される食品安全委員会の審議で「出口が見えてくるのではないか」と語った。

(共同通信) - 10月29日1時21分更新


◆記事2:ここ数ヶ月のBSE関連記事より。

 ◆米農務次官、牛肉問題で衆院調査団を「どう喝」 (2005年6月21日)(日経)

 【ワシントン=吉田透】米国のBSE(牛海綿状脳症)対策を調べるため訪米中の衆院調査団は21日、ペン米農務次官ら農務省幹部と会談した。ペン次官は米国産牛肉の輸入再開を強く迫るとともに、この問題がこじれると日米関係全般に悪影響が出ると警告した。調査団長の山岡賢次議員は会談後の記者会見で「まるでどう喝するような口ぶりだった」と強い不快感を示した。

◆米農務省、2頭目のBSE感染牛を確認・国内産の公算 (2005年6月24日)

 【ワシントン=吉田透】ジョハンズ米農務長官は24日、米国で2例目となるBSE(牛海綿状脳症)の感染牛を確認したと発表した。2003年12月に確認された1頭目はカナダからの輸入牛だったが、今回の牛は国内で生まれ、飼育された公算が大きいという。同長官は「米国牛肉は安全だ」と国内外に呼び掛けたが、日本の米牛肉輸入再開問題に影響を及ぼしそうだ。

 確認検査を委託していた英政府研究所から同日、感染していたという報告があった。牛の出生地や飼育地については確定するまで公表しないとしている。ただ、ジョハンズ長官はこの牛が非常に年老いており、1997年のBSE飼料規制導入前に感染した可能性が高いと指摘。日本の米牛肉輸入再開の審議には影響は出ないと強調した。

◆ヤコブ病で5人相次ぎ死亡 米、BSEと関係なし(共同通信) - 8月13日13時22分更新

 【ロサンゼルス12日共同】米アイダホ州でクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)の症例が今年2月以降に計6件発生、5人が死亡していることが12日分かった。ロイター通信が伝えた。
 牛海綿状脳症(BSE)とは別の種別で、州当局は狂牛病と関係はないとみている。しかし、100万人に1例の発症率といわれるCJDが人口200万人に満たない同州で相次いだことを受け、米疾病対策センター(CDC)と州政府は原因調査を始めた。 米国では年間に300前後の症例が見つかっており、1988-92年にはニュージャージー州の競馬場の労働者ら13人がCJDで死亡した。

◆米BSE対策で手続き違反1000件以上・農務省発表 (2005年8月16日 日経)

 【ワシントン=吉田透】米農務省は15日、BSE(牛海綿状脳症)のまん延防止策の一環として実施している脳や脊髄(せきずい)など特定危険部位(SRM)の除去について、今年5月までの1年半の期間に手続き違反が全米で1036件も見つかったと発表した。

 SRMの除去は日本が米国産牛肉の輸入再開の条件として徹底を求めている柱の一つ。これだけの規模での手続き違反が見つかったことで、日本の食品安全委員会による輸入再開の是非の検討にも影響するとみられる。米国では2003年12月に初のBSE感染牛が見つかったのを受け、月齢30カ月超の牛についてSRMの除去を畜産業者や食肉処理業者に義務づけた。

 米農務省は手続き違反が見つかったのは、食肉処理場で処理された牛の1%未満にすぎず、食品安全上の問題もないとしている。

 しかし農務省が定めた規則が食肉処理場で徹底されていない状況は、全米の食肉検査官でつくる労働組合なども以前から告発していた。

 農務省はこうした問題の存在をこれまで認めないでいたが、今回実態が初めて明るみに出た格好だ。 (13:36)

◆米側に詳細情報求める BSE対策違反で日本側 (共同通信) - 8月16日19時2分更新

 農水省と厚生労働省は16日、米政府が牛海綿状脳症(BSE)対策として食肉処理業者に義務付けた特定危険部位の除去の規制で1000件を超える違反が明らかになったことに絡んで、米側に詳細な情報提供を求める方針を固めた。

 脳や脊髄(せきずい)などの特定危険部位の除去は米国産牛肉の輸入再開条件の大きな柱。日本国内には米国内の特定危険部位の除去の確実性などについて不安視する声も根強く、大詰めを迎えている食品安全委員会プリオン専門調査会での輸入再開論議にも影響が出そうだ。

◆感染経路解明できず 米で2例目のBSE牛(共同通信) - 8月31日8時20分更新

 【ワシントン30日共同】米農務省は30日、米国で2例目の牛海綿状脳症(BSE)感染が6月に確認された牛について、肉骨粉を含んだ飼料を禁じた1997年以前に感染した可能性が「最もありそうだ」とする調査結果を発表した。ただ具体的な感染経路は解明できず、食肉管理システムの不備をあらためて裏付けた。

 同省によると、この牛がいた農場では90年以降、9つの工場で製造された21種類の餌が使用されたが、97年以降は禁止飼料が含まれていなかったことが確認できたという。

 同じ群れで飼育された67頭はいずれも「シロ」だったが、かつて同じ農場にいた200頭は既に食肉処理されたり、居場所が把握できないケースが多く、感染の有無を確認できなかった。

 2例目の感染牛はテキサス州産で、昨年11月の処分時点で約12歳だった。

◆「米のBSE汚染度高い」 プリオン調査会が評価案 (共同通信) - 9月12日17時36分更新

 米国とカナダ産牛肉の輸入再開に向け、安全性評価を進めている食品安全委員会プリオン専門調査会(座長・吉川泰弘東大教授)が12日開かれ、吉川座長が米国の牛海綿状脳症(BSE)汚染度は飼料規制の不備などから日本より高いなどとする評価案の「たたき台」を提示した。

 調査会では今後、米国の牛にどれくらいBSE汚染が広がっているかの推計を基に、日本への輸入対象となる生後20カ月以下で脳や脊髄(せきずい)などの危険部位を取り除いた牛肉の安全性について日本との比較を進める。


◆記事3:国内の反応。<米国産牛肉輸入>再開反対で集会 都内で消費者連盟など
 

 米国産牛肉の輸入が年内にも再開される問題で、日本消費者連盟など11団体は27日午前、輸入解禁に反対する集会を東京都内で開いた。国の食品安全委員会と厚生労働省、農林水産省に対し、全頭検査を含むBSE(牛海綿状脳症)対策の継続や、米国産牛肉の安易なリスク評価をしないことを求める要請書を採択した。(毎日新聞) - 10月27日15時22分更新


◆コメント:小泉首相と全閣僚、厚生労働省全職員は毎日、1日3回、米国産牛肉を食べ続けてくださいね?安全なんでしょ?

 

 「日本は滅びる。」と晩年の司馬遼太郎さんは、毎日、うわごとのように呟いていたとみどり夫人が話していたのを何度もテレビで見た。

 非常に鮮明に記憶している。

 国民の健康・生命を軽んずる政府を国民がよろこんで支持する(衆院選で与党が圧勝したということは、そういうことですよね?)ような国は、確かに、滅びてもおかしくない。



 記事2で羅列した記事にざっと目を通せば、米国の「米国産牛肉は安全だ」という主張に何の合理的根拠が無いことは明らか。

 特に、異常タンパク質プリオンが蓄積しやすい、特定危険部位の除去すら、アメリカ人はきちんと実行していなかったこと。米国農務省はそれを認識していながら放置していたことが明らかになった。

 今後、米国が、急に厳格に特定危険部位除去を実行するとは思えない。何せ、監督官庁が知っていながら黙認していた国なのだ。アメリカ合衆国は。

 そういう肉を輸入するのだそうだ。

 日本のブリオン委員会も、誠に情けない。9月12日のステートメントでは、「米のBSE汚染度高い」と明言している。

 僅か一ヶ月で、急に「輸入再開しても大丈夫」という結論に変化した合理的根拠を示せ。出来るわけがない。全ては小泉の鶴の一声で決まったのだろう。


◆率先垂範。

 

 アメリカ産牛肉の輸入を再開したら、小泉首相、内閣の全閣僚、厚生労働省の全ての職員は、毎日役所の昼飯でアメリカ産牛肉で作った、牛丼、ビーフカレー、ビーフシチューなどを食べて貰いましょう。

 1日も欠かさず、毎日、アメリカ牛肉を食べてください。 

 昼食だけじゃ甘いな。これからずっと朝昼晩と、アメリカ産牛肉を食べて自らその「安全性」を示していただきたい。


◆1980年~1996年の間に1日でも英国に滞在した者は、献血できないという通達があるのですが?

 

 厚生労働省のサイトに1980年から1996年の間に英国に1日以上滞在された方からの献血見合わせ措置に関するQ&Aというページがある。 今年の5月31日、厚生労働省は、そういう通達を出したのだ。

 1980年~1996年の間に、一度でも英国産の牛肉を食べた人間は、クロイツフェルト・ヤコブ病に既に感染して潜伏期にあるかも知れない。と日本国は考えているのである。

 ただの一度でもBSEに感染した肉を食ったら、危険だといっていながら、気が遠くなるぐらいずさんな食肉管理をしているアメリカの牛肉を、政治的駆け引きから簡単に輸入再開し、国民に食わせようとしているのだ。

 小泉政権は。国民の健康・生命がどうなろうが知ったことではないのである。

 小泉君、せめてあんたもアメリカの牛肉を食えよな。

 大丈夫だよ。大抵、潜伏期が長いから、たとえ、クロイツフェルト・ヤコブ病に感染しても、発病前に寿命が来て、死ぬよ。


by j6ngt | 2005-10-30 00:12 | BSE

「ATM盗撮:UFJは『勉強が足らない』」 村田公安委員長←検挙率は?

◆記事1:ATM盗撮:UFJは「勉強が足らない」 村田公安委員長 (毎日新聞)

 UFJ銀行のATM(現金自動受払機)に隠しカメラが設置された事件について、村田吉隆国家公安委員長は25日の閣議後の会見で「隠しカメラが設置できるような余分な箱をATMにつけて、犯罪を招くようなことをするとは、勉強が足らない」と、UFJの犯罪対策への姿勢を批判した。

 村田委員長は「各銀行、協会を含め、諸外国や新手の犯罪など情報を集め、しっかり研究すべきだ」と指摘。箱の設置について「まったく信じられない」と述べた。

 UFJ銀行では9月上旬以降、首都圏の十数カ所のATMコーナーで、隠しカメラが設置もしくは設置された形跡があったことが判明。いずれもATM上部につけられたカードローンの広告チラシを入れるための箱の内部に隠しカメラが仕込まれていた。 2005年10月25日 13時47分 (最終更新時間 10月25日 15時57分)


◆記事2:サイバー犯罪の検挙数は5割増、相談件数は5万件超 - 警察庁 (Scan)

 警察庁によれば、今年上半期におけるサイバー犯罪の検挙数は、昨年と比べると50%以上増加して1,612件になった。

特に不正アクセス禁止法違反での検挙が前年同期比で3倍に増加するなど、検挙数は増加の一途をたどっている。

各都道府県警察などに寄せられたサイバー犯罪に関する相談件数も同約1.5倍に増え、5万件を超えた。

検挙数では、不正アクセス禁止法違反が最も増加率が高く、200%増の198件と、上半期の時点で昨年1年間の検挙数142件を超えた。

不正アクセスでは、5月に京都で元学生が、6月に警視庁にフィッシング(取得)したうえ不正アクセスをした会社員が捕まっているほか、同じく6月には旅行会社などへの不正アクセスで、計52万件の個人情報を取得したとして大学生が逮捕されている。

インターネット上の詐欺や児童売春、著作権法違反といったネットワーク利用犯罪は、相変わらずサイバー犯罪のうちの多数を占めており、

上半期は全サイバー犯罪の86.3%を占める1,391件、前年同期から400件以上増加した。

ネットオークション詐欺・悪質商法などの詐欺行為が同約172%増の672件と最も多く、児童ポルノに関連した犯罪では倍以上の検挙数(68件)、青少年保護育成条例違反は同40%以上増加の114件となった。

著作権法違反、児童売春はそれぞれ検挙数が減った。

警察などに届けられた相談件数は、上半期だけで5万479件と増加の一途をたどっている。

前年同期比では53%・1万7千件以上の増加で、このままのペースで行けば昨年1年間の7万件強を超える勢いだ。

最も多いのが詐欺・悪質商法について。身に覚えのない有料サイトの利用料金の請求やワンクリック詐欺などが代表だ。昨年同期の2倍近い、3万件弱の相談が寄せられた。ネットオークション関連では同18%増の8,722件だった。


不正アクセスとウイルスに関する相談も2倍近い伸びを示し、昨年1年間の相談件数とほぼ同数となる2千件強の相談が、上半期だけで寄せられた。

名誉棄損や誹謗中傷などについては5割増、違法・有害情報に関しては2割強の伸びだったが、迷惑メールに関しては83件増と微増だった。(2005/8/19)


◆コメント:一番悪いのは、「犯人」に決まっている。

 

 村田国家公安委員長の言い分は、論理が飛躍している上に、警察のだらしなさを誤魔化している。

 論理が飛躍しているというのは、人のカネを盗んだ奴がまず一番悪いという認識を明らかにしないで、いきなり銀行の責任を名指しで批判していることである。

 確かに、銀行は預金者から信用を供与されている、つまり、預金者からカネを「借りている」のであり、それを普通「預金」といい、これが不正に引き出されることの無いように十分注意を払う義務があることなど、銀行だって分かっているだろう。だから、ATMに生体認証なんて言う話もでるわけだ。

 生体認証なんて、一昔前なら、アメリカの核ミサイル発射施設とか、伝染病研究所などの超高度機密施設における本人確認に使われていた技術で、それがなんと日本の町中で、銀行のATMに使われる日が来ようとは、誰も想像すらしなかった。

 どうしてこうなったかと言えば、悪い奴が増え、しかも「頭の良い、悪い奴」が増えて犯罪技術が高度化しているからである。

 誰が一番悪いのかといえば、自分は働かないで、他人様が一生懸命に働いて貯めて銀行に預けた金を盗んで食って、遊んで暮らそうという奴らに決まっていて、悪い奴を捕まえるのは警察の仕事である。


◆警察の統計は狡い。「検挙件数が増えた」といい、「検挙率」は明らかにしない。

 

 記事2は、コンピューター関連ニュースを扱うサイトからの引用だが、警察庁のサイトを見ても、今年上半期のサイバー犯罪検挙「件数」が前年同期比の1.5倍である、と「手柄」を強調している。

 ところが、記事2の中頃にあるように、サイバー犯罪の相談件数は今年上半期で5万件もあり、一方、検挙数は1,612件である。

 勿論、警察に持ち込まれた「相談事例」5万件の全てが本当に犯罪に該当するのか、或いは検挙出来る性質のものかは不明であるから、単純にこの記事から検挙率を計算することは出来ないが、不審に思えるのは、警察自身が「検挙率」を発表しないことである。

 発表しているのは、繰り返すが、「検挙件数」だけである。

 警察が本当に「サイバー犯罪」と認識する行為が何件あったのか、を示さないと検挙率が分からない。検挙数が1612件と言われてもそれだけでは評価出来ない。

 検挙率を発表しないと、都合の悪いことは発表しない、という役人の性質(というか、人間の一般的性質)に鑑み、実際はおどろくほど、検挙できていないのではないか、という疑いを抱かざるを得ない。

 犯人が一番悪い。金融機関も常に犯罪動向に注意するべきだ。

 しかし、犯人を捕まえるのが仕事である警察が、大量の犯人を捕まえることが出来ていないのだとしたら、責任をどう取るつもりなのか、村田国家公安委員長の説明を聞きたい。


by j6ngt | 2005-10-29 08:33

「日本音コン:ホルン本選会、大野雄太さんが1位」←プロが毎コン受けるのは立派ですよ。

◆記事:日本音コン:ホルン本選会、大野雄太さんが1位(毎日新聞 2005年10月19日 東京朝刊)

 

 第74回日本音楽コンクール(毎日新聞社、NHK共催、特別協賛・三井物産)の本選会シリーズ4日目の18日は、東京オペラシティでホルン部門の本選が行われた。

 128人の応募から2度の予選を通過した6人がR・シュトラウスのホルン協奏曲第2番を競演。

 守山光三ら11氏による審査の結果、豊かでクリアな音を聞かせた大野雄太さん(26)=新日本フィル団員=が第1位に選ばれた。【梅津時比古】

 他の入賞・入選者は次の通り。(入選は演奏順、敬称略)

 ▽第2位 福川伸陽(24)=日本フィル団員

 ▽第3位 松坂隼(22)=東京芸大2年

 ▽入選 木山明子(28)=京都市立芸大卒、岸上穣(20)=東京芸大2年、岩佐朋彦(26)=ハンガリー国立リスト音楽院修了

 ▽岩谷賞(聴衆賞) 大野雄太


◆コメント:プロが1位、2位というのは当然なようで大変立派。

 

 ショパンコンクールに音楽ファンの興味が集中してしまったが、日本で最高に権威のあるコンクール、通称毎コンホルン部門の本選が、10月18日に行われ、今年はなんと1位と2位が現役のプロのオーケストラプレーヤーだった。

 これは、当然のようで、大変勇気がいるし、条件的にも厳しかった筈で、大健闘である。

 勇気がいる、というのは、学生ならば、最近はもの凄く上手くなっているが、何せ「学生」だから、まだ音楽的・技術的に未熟な面が発見されても、「修行中の身」であるという、エクスキューズが可能である。

 これに対して、プロは既にカネを取って演奏を聴かせる人なのだから、上手くて当たり前。 「プロ」がコンクールに出て、学生よりも下位になったら、面目丸つぶれなのだ。 

 そのリスクを覚悟で大野さんと2位の福川さんは毎コン出場を決意し、見事プロたる所以を証明したのだから、立派だ。

 さらに付け加えるならば、学生ならば、「毎コンを受ける」となったら、そのための練習を最優先させることを学校も了承してくれるので、一日中でもコンクールの課題曲をさらっていればよいが、プロはそうはいかない。

「毎コンを受けるので、半年、仕事を休ませてください」とは言えない。

 管楽器は弦と異なり、一人で1パートを吹く上に、ホルンは必ず出るから休みはなかなか取れない。

 オーケストラのコンサートにおけるホルンパートも、何度も経験済みの「新世界」などばかりやっているわけではない。

 仕事の曲の練習もしながら、コンクール課題曲をさらわなければならぬ。これは大変である。 だから、プロの二人の一位、二位には、千金の重みがある。


◆リヒャルト・シュトラウスのホルン協奏曲。

 

 ホルン協奏曲といって、まず、クラシック好きが思い浮かべるのはモーツァルトの4つの協奏曲である。

 文句なしの名曲だが、今は技術水準が高いので、むしろオーケストラのオーディションの課題曲になる。

 プロは勿論、プロを目指す者なら、吹けて当たり前なのだ。本当はモーツァルトが音楽的には最も洗練されているのだが、コンクールでは、「どれぐらい高度な技術を身につけているか」をも審査しなければならない。

 そのためには純粋に演奏上のテクニックという点では、モーツァルトよりずっと難しいリヒャルト・シュトラウスのホルン協奏曲が必ずといっていいほど、課題曲になる。

 リヒャルトシュトラウスといえば、交響詩。「英雄の生涯」「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」「ツァラトゥストラはかく語りき」など。オペラも書いてますがね。「アルプス交響曲」ってのもあるな(私は余り好きではないが)。

 しかし、何と言ってもまず交響詩なのだ。そういう人が何故、ホルン協奏曲を書いたのかといえば、オヤジさんが、ホルン吹きだったからである。子どもの頃から最も身近な楽器だったのだ。

 「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」という曲では、曲が始まってすぐに、超有名なホルンソロがある。

 かなりの高音域から、超低音域(ホルンは音域が広い)へ、ジャンプしてゆく難しいソロである。だから、ホルン吹きは、何かというと口慣らし、音出しのときにこのソロを吹く。世界中共通の現象である。

 ホルン協奏曲第1番はR・シュトラウスが19歳の時。そして、今回課題曲になった第2番はなんと60年後、最晩年78歳で書いている。

 私はそれを思うと、じんと胸にせまるものがある。 人生の最晩年にもう一度ホルン協奏曲を書いた。

 リヒャルトシュトラウスにとって、ホルンは親父さんの思い出を伴う、大事な楽器だったのだろう。


by j6ngt | 2005-10-28 02:56 | 音楽

政府答弁書決定 「戦犯」は存在せず ←「戦犯」云々を「閣議決定」する必然性がない。

◆記事:靖国問題で政府答弁書決定 「戦犯」は存在せず 公式参拝であっても合憲

 

 政府は二十五日の閣議で、さきの大戦後、連合国によって「戦犯」とされた軍人・軍属らが死刑や禁固刑などを受けたことについて、国内法上は戦犯は存在しないとの見解を明確にした答弁書を決定した。

 首相の靖国神社参拝に関しては「公式参拝」であっても、宗教上の目的ではないことが外観上も明らかな場合には、憲法に抵触しないとの見解を改めて示した。

 いずれも民主党の野田佳彦国対委員長の質問主意書に答えた。

 答弁書は「(極東国際軍事裁判所やその他の連合国戦争犯罪法廷が科した)刑は、わが国の国内法に基づいて言い渡された刑ではない」と指摘。

 A、B、C各級の「戦犯」は、国内では戦争犯罪人とはいえないことを明確にした。

 この問題で自民党の森岡正宏厚生労働政務官(当時)は今年五月、「(戦犯とされた人々は)罪を償っており、日本国内ではもう罪人ではない」と発言したが、細田博之官房長官は「政府見解と大いに異なっているので論評する必要もない」と述べていた。

 また、答弁書は首相の靖国参拝に関し、「戦没者の追悼を目的とする参拝であることを公にするとともに、神道儀式によることなく、宗教上の目的によるものでないことが外観上も明らかである場合は、憲法二〇条三項の禁じる国の宗教的活動に当たることはない」との見解を改めて表明した。

 靖国参拝について藤波孝生官房長官(当時)は昭和六十年、「首相、閣僚が国務大臣としての資格で戦没者の追悼を目的として、靖国神社の本殿、社頭で一礼する方式で参拝することは、憲法の規定に違反する疑いはない」との政府統一見解を発表している。

 首相の靖国参拝をめぐっては、大阪高裁が拘束力を持たない「傍論」で靖国参拝を「公的行為」と認定。憲法の禁止する宗教的活動に当たるとしたが、政府見解はこれを真っ向から否定した。(産経新聞) - 10月26日2時47分更新


◆コメント:「戦争犯罪人」は戦勝国から見た概念であるから、国内法上「戦犯」が無いのは当たり前。

 

 戦犯とは東京裁判で、「人道に対する罪」「平和に対する罪」を侵したとされた人々のことである。元々連合国側が勝手に貼ったレッテルですから、国内法上「戦犯の概念」が存在しないのは当然です。


◆靖国参拝が違憲とされるのはまず、国の宗教的活動を禁じた、20条3項に反するからです。

 

 冒頭の記事は、戦犯の話と、同時にまた、靖国参拝が宗教色がなければ合憲だという二点に関した話が載っています。第二点目について。

 昨日の日記で引用したとおり、政府は、昨日の閣議で

「首相の靖国神社参拝に関し、追悼目的であることを公にし「2礼2拍手1礼」など神道の儀式を踏まなければ、公式参拝であっても憲法に抵触しないとする答弁書を閣議決定

したとのこと。

 冒頭記事の二点目は、昨日と同じ事を繰り返しているだけなので、私のコメントも変りません。

 内閣が内閣自身の行為の合憲性を「閣議決定する」権限は無いのです。宗教性の有無も含め、その判断は司法に委ねられるべきです。



◆「戦犯」が国内法上存在しない、ということをわざわざ喧伝する必然性が認められない。

 日本国憲法をはじめ、日本の国内法には、「戦争犯罪」という文言(もんごん)は一カ所もありません。

それはそうなのだが、そのことを閣議決定すれば、世界に報道されます。 そのことに、何らかのメリットがあるとは思えません。


◆「サンフランシスコ講和条約に今更ケチを付ける気か?」と受け取られかねない。

 

 サンフランシスコ講和条約は、原語で "Treaty of Peace with Japan"(日本国との平和条約)といいます。

 1952年4月28日に発効(法的効力を持つ)しました。それまで、この条約に調印した国々と日本は、国際法上はまだ戦争状態にあったのです。

 この条約はその状態はもう終わりにしましょう、という条約です。 サンフランシスコ講和条約の最初の条文は、こうなっている。

 

「日本国と各連合国との間戦争状態は、第二十三条の定めるところによりこの条約が日本国と当該連合国との間に効力を生ずる日に終了する。」

 つまり、「日本がこれに調印すれば、他の条約締結国と、日本との「戦争状態」は終わりにしようと、いうことですね。
 その代わり、戦争中、日本の武力攻撃により、迷惑している国もあるから、日本もこの条約で定める条件、謂わば「交換条件」を受け入れろ、ということです。

日本でしばしば物議をかもすのは、11条です。

第11条 日本国は、極東国際軍事裁判所並びに日本国内及び国外の他の連合国戦争犯罪法廷の裁判を受諾し、且つ、日本国で拘禁されている日本国民にこれらの法廷が課した刑を執行するものとする。これらの拘禁されている者を赦免し、減刑し、及び仮出獄させる権限は、各事件について刑を課した一又は二以上の政府の決定及び日本国の勧告に基くの外、行使することができない。極東国際軍事裁判所が刑を宣告した者については、この権限は、裁判所に代表者を出した政府の過半数の決定及び日本国の勧告に基くの外、行使することができない。

 ここで、「戦争犯罪」という文言が使われています。

11条は日本に対して、日本は戦争犯罪を犯したことを認めなさい。と。東京裁判の判決を受け入れると云いなさいと要求している。

 これが先ほど述べた、日本の国際社会への復帰のための「交換条件」の一つなわけです。


◆兎にも角にも、それに対して、日本は「わかりました」と応じたのです。

  

 応じるとは、「サンフランシスコ講和条約に調印すること」(正しくはその後批准すること)です。そして、日本はやむを得ないということで、調印しました。

  国内法に戦犯に関する規程が無いのは、間違いではありません。

  また、東京裁判の国際法的有効性に対する疑問は、靖国神社は何故問題になるのか「入門編」で書いたとおり、私は十二分に承知しています。

  しかし、兎にも角にも、国際法的には「戦争犯罪人」の存在を日本は認めているのです。それがサンフランシスコ講和条約を締結した、ということなのです。


◆「国内法上」とはいうものの、誤解を招きやすい閣議決定をわざわざしなくてよい。

 

 「国内法上」と但し書き(法律用語の「但書」の意味で使っているのではない)を付けているとはいえ、「戦争犯罪人はいない」という公式のコメントを日本国が発するということは、

 下手をすると、サンフランシスコ講和条約の東京裁判に関する第11条に抗議しようとしていると受け取られかねない。

 非常にミスリーディング(誤解を招くような)なステートメントです。

  戦後、国際社会における立場が弱いときには、おとなしく条約を受け入れておいて、それから、53年が経ち、世界第2位の経済大国で世界第3位の軍事大国になって、いきなりこのような閣議決定を発表しなければならない、必然性が認められません。

 あたかも、日本国が「あの、サンフランシスコ講和条約の11条はおかしいのではないか?」と文句を付けようとしているかのごとき「印象」を他の条約締結国に与える可能性は十分にあり、それは、日本に取って何のメリットもない。

  こういう「余計な」閣議決定はするべきでも、発表するべきでもありません。


by j6ngt | 2005-10-27 09:43

「小泉首相の公式参拝、憲法違反でない-政府答弁書」←自分で「違憲だ」というわけがない。

◆記事:小泉首相の公式参拝、憲法違反でない=中曽根内閣の見解踏襲-政府答弁書

 

 政府は25日午前の閣議で、首相の靖国神社参拝に関し、追悼目的であることを公にし「2礼2拍手1礼」など神道の儀式を踏まなければ、公式参拝であっても憲法に抵触しないとする答弁書を閣議決定した。

 今回の答弁書は、中曽根康弘首相(当時)が1985年8月に公式参拝に踏み切った際の政府見解を踏襲しており、同内容の答弁書を01年5月にも閣議決定している。(時事通信) - 10月25日13時0分更新


◆コメント:内閣総理大臣の行動を内閣が合憲だというのは当たり前で、何の意味もない。

 

  あーあ、馬鹿馬鹿しい。 内閣総理大臣の行為が合憲か違憲かと内閣に訊いたら、「合憲」と言うに決まっているだろう。

 「違憲だと思いながら参拝している」と答えるわけがない。


◆閣議決定とは何か。

 

 閣議決定とは、本来、「内閣の権限事項を閣議(総理大臣と大臣が毎週火曜と金曜の朝におこなうミーティング)で決定すること」なのです。

 内閣の権限事項とは何か。

 日本国憲法で決まっているのです。

 憲法のはじめのほうからいくと、

 天皇の国事行為に助言と承認を与えること。(憲法第7条)

 一般行政事務を行うこと。

 その他の大事な仕事は憲法第73条に書いてあります。

 第七十三条 内閣は、他の一般行政事務の外、左の事務を行ふ。

 


  1. 法律を誠実に執行し、国務を総理すること。

  2.  外交関係を処理すること。

  3.  条約を締結すること。但し、事前に、時宜によつては事後に、国会の承認を経ることを必要とする。

  4.  法律の定める基準に従ひ、官吏に関する事務を掌理すること。

  5.  予算を作成して国会に提出すること。

  6.  この憲法及び法律の規定を実施するために、政令を制定すること。但し、政令には、特にその法律の委任がある場合を除いては、罰則を設けることができない。

  7.  大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を決定すること。




  これを読めば分かるとおり内閣は、内閣、または、内閣総理大臣の行為の合憲性を自分で決める権限を付与されていません。

 ある法律とか、命令・規則・処分が、憲法に違反していないかどうかを判断することは、内閣の権限事項ではありません。

 それは、司法の仕事です。
 内閣の権限事項でないことを、閣議決定しては、いけません。三権分立、この場合司法の独立を侵します。


◆司法の判断を尊重しなければ、三権分立の意味が無いでしょ?

 

 裁判所は「憲法の番人」だ、などと、中学か高校で習ったでしょう?政治家の先生方?

 

日本国憲法 第八十一条 最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である。


 終審裁判所、つまり、最終的に合憲か違憲かの判断をするのは最高裁判所です。

 勿論、下級審(地方裁判所、高等裁判所)も、ある行為や法律・命令などが合憲か違憲か述べて良いのです。

 但し、裁判所の頂点は最高裁ですから、当然、合憲・違憲を「最終的に」判断するのは最高裁ですよ、と言っているわけです。

 そういう統治構造になっているのですから、行政府が行政府自身の行為を「合憲だ」と言っても、内閣の権限を逸脱しています。

 何度も書きますが、内閣が自分たちの行為が違憲だというわけが無いじゃなですか?


◆今までの参拝は違憲だったと言っているようなものです。

 

 記事をもう一度、読んでみると、9月30日の大阪高裁の判決(判決主文とは云っていませんよ。)の中の次の部分に反応したのがほぼ明らかです。

 靖国に参拝しても行為の宗教性が無ければ合憲だ、といっているのですから。

 大阪高裁の判決より。

 「本件各参拝は、宗教団体である靖国神社の備える礼拝施設である靖国神社の本殿において、祭神に対し、拝礼することにより、畏敬(いけい)崇拝の気持ちを表したものであって、客観的に見て極めて宗教的意義の深い行為というべきである。」

  これに対して、今日の「閣議決定」(くどいようですが、本来「閣議決定」出来ることではないのですが、質問があったから答弁書を作る上で「閣議決定」せざるを得なかったのでしょうが)で具体的に、

 「追悼目的であることを公にし「2礼2拍手1礼」など神道の儀式を踏まなければ、公式参拝であっても憲法に抵触しない」

 言い回しに注意しましょう。 「神道の儀式を踏まなければ」、といっている。

 うっかりそう云ってしまったのでしょうが、裏返せば、「今までの、『神道の儀式を踏んだ』参拝は宗教的行為だった」と認めているに等しい。

 屁理屈ではなくて、小泉内閣の本音がポロリと出ているとおもいます。

 いずれにせよ、憲法に違反しているかいないかを決定するのは司法の仕事で、司法が「違憲だ」といっているわけです。

 行政府がそれを無視して、「自分たちが合憲というのだから、合憲だ」と押し切ってしまっては、三権分立の意味がないのです。

 司法の見解は真摯に受け止めるべきではないでしょうか。


by j6ngt | 2005-10-26 01:48

<プリオン調査会>米産牛肉 年内にも輸入再開の見通し←冗談じゃないよ。

◆記事:<プリオン調査会>米産牛肉 年内にも輸入再開の見通し

 

 BSE(牛海綿状脳症)の発生で輸入が禁止されている米国産とカナダ産牛肉の安全性を審議している食品安全委員会のプリオン専門調査会(吉川泰弘座長)は24日、

生後20カ月以下の若齢牛に限定し、脳やせき髄などの特定危険部位を除去するなどの条件が順守されれば、日本産牛肉と比べ「リスクの差は非常に小さい」とする答申の原案を提示した。

 最終的な結論は次回以降に出されるが、農林水産省と厚生労働省は、これまでの審議の内容から輸入再開の根拠にできる答申が出る可能性が高いとみており、年内にも輸入が再開される見通しになった。

 24日の会合では、特定危険部位の除去について「米国・カナダの食肉処理場での実態は不明」として、輸入再開に慎重な意見も出た。

 しかし、終了後、吉川座長は「(委員の間で)大きな評価のズレは感じていない」と述べた。

 政府は、食品安全委の答申で、米国・カナダ産牛肉の安全性について、国産牛肉との「同等性」に直接言及していなくても、「差が非常に小さい」とする結論なら輸入再開は可能だと判断するとみられる。同調査会が答申案をまとめ、食品安全委が4週間程度の意見募集を経て正式に答申を出せば、直ちに輸入再開手続きに入る見込みだ。

 米国とカナダは、日本向けの牛肉の輸出条件として、

(1)脳など特定危険部位の除去

(2)生後20カ月以下であることの証明――が義務づけられると表明している。

 これを受けて、対日輸入が再開された場合、日本政府は米国とカナダに専門家を派遣し、条件が守られているかどうかを現場で査察する方針だ。

 プリオン専門調査会の原案でも、米国・カナダが対日輸出条件を順守することが重要だと強調。

 そのうえで、輸入再開されても、順守が不十分なら再び輸入を停止すべきだと指摘している。(毎日新聞) - 10月24日23時24分更新


◆コメント:気は確かですか?

 

 ほとほと、嫌になる。ダメな物はだめだ。

 プリオン調査会のメンバーは一体、今まで何のために学問をしてきたのだ?

 この国は、アメリカから輸入していた「血液製剤」という人間の血液から作った薬が、一部、エイズウィルスや肝炎のウィルスに汚染されているかも知れないこと。

 それを使用した患者が、エイズや肝炎に感染する可能性が極めて高いことを認識していたにもかかわらず、国内での使用を許可した、という前科がある。

 国民の生命よりも、当時の厚生省の役人の天下り先としてのミドリ十字という薬屋を確保しておくことを優先した、ということである。


◆コメント2:全く同じ事を繰り返そうとしている。

 

 異常タンパク質プリオンが原因で発生する病気をブリオン病といいます。

 それが、牛で発生すれば、BSE(bovine spongiform encephalopathy:牛海綿状脳症{うしかいめんじょうのうしょう}といい、人間で発生すればクロイツフェルト・ヤコブ病というのです。

 クロイツフェルト・ヤコブ病の治療法は無いそうです。つまり、(潜伏期間がかなり長いとは言え)、一旦発病したら死ぬのを待つしかない。

 BSEが発見されたのは1986年ですが、その後かなり長い間、BSEに感染した牛の肉を食べても、人間には感染しない、つまり、クロイツフェルト・ヤコブ病の原因にはならない、と考えられてきたのです。

 しかし、1996年、牛のBSEが人間にも感染するのではないかと考えられるようになったのです。

 そのいきさつは今年の2月4日に書いたので、ご参照下さい。


◆コメント3:その他にも何度も書いたのですが、絶対危険です。

 

 私が過去に米国産牛肉輸入再開反対の旨をかいた文章の見出し一覧がありますので、是非ご高覧下さい。

 それらを読んでいただくと分かるけれども、 アメリカの主張は無茶なのです。

 アメリカは「生後20歳未満の牛がBSEに感染していた例は、過去にないのだから、20ヶ月以下の牛肉に限定すれば、日本は輸入を拒否する理由がないだろう」という理由でごり押ししてきます。


 

 ◆コメント4:ダメな理由1:20ヶ月以下の牛肉が安全であると証明されたわけではない。

 たまたま、今まで世界で生後20ヶ月未満の牛がBSEに感染していたことは無いから、というのが、「20ヶ月未満牛肉安全論」の唯一の根拠です。

 全然科学的じゃないことは、素人だってわかる。

 今年3月28日に書きましたが、日本では2003年11月4日に生後21ヶ月でのBSE感染例が確認されている

 21ヶ月は感染する可能性があるが、19ヶ月、18ヶ月の牛がBSEに感染する可能性は無い。という科学的根拠は無い。

 20ヶ月未満が安全というのは、統計からの楽観的推論に過ぎないのです。


◆コメント5:ダメな理由2:アメリカの牛は正確な月齢が分からない。
 

 日本人は几帳面だから、酪農家は牛一頭ずつ、いつ生まれたか記録していますが、驚くべき事に、アメリカでは記録していない。

 だから、生後20ヶ月未満かどうかは肉質から推定しているだけなのです。


◆結論:米国産牛肉(カナダも同様)はBSEに感染している物が混入している可能性が高く、輸入再開の必然性が認められない。

 

 今まで書いたことからも明らかであるが、アメリカ産の牛肉がBSEに感染している可能性が低いと断定するに十分な根拠は存在しない。

 また、一口に「牛肉」といっても、日本はアメリカから牛肉の加工製品も輸入している。 加工製品に20ヶ月以上の牛の肉を使われたら、判別することが出来ない。

 BSEに感染している牛肉を食べれば、クロイツフェルト・ヤコブ病を発症する可能性が有る。

 クロイツフェルト・ヤコブ病には、今のところ治療法が無い。

 よって、米国産牛肉の輸入を再開して、日本国民にこれを食べろというのは、日米両政府ともに、日本国民にたいする殺人の未必の故意がある、ということになる。

 こんなことが許されて良いわけがない。

 以上の理由により、米国産牛肉輸入再開は国家による犯罪と言っても過言ではなく、到底認められない。


by j6ngt | 2005-10-25 01:09 | BSE

ショパン・コンクールに関係した、あれこれ雑記

◆コンクールってのは、勝ち負けじゃないです。

 

 コンクールというか、音楽とは本来、そのような対立構造を生じるものではないです。

 今回、3位が韓国人で、4位が日本人なので、多分、両方の国の普段、音楽とは縁のない人々が、

 やれ韓国が勝った、日本人が負けたとか下らんことを云うのでしょうが、そうじゃないのですね。

 コンクールというのは、「瞬間最大風速」みたいなものです。瞬発力というか。マラソンじゃなくて、100m決勝みたいなものですかね。

 その日、その時、その場での演奏のうち、誰のが一番良かったか、ということです。

 ですから、明日、もう一度本選をやったら、全然別の結果になる可能性は、大いにある。

 実際歴史的にも、本選で1位になった人より、2位以下の人がその後、大きく伸びたという例は沢山あります。

 その、最も有名な例を御紹介します。


◆ショパンコンクールでは、ファイナルに残れなかった、ポゴレリチという天才ピアニストがいます。

 

 イーヴォ・ポゴレリチという天才ピアニストがいます。

 1958年、クロアチア生まれ。クロアチアは旧ユーゴスラビアの一部だった国です。

 この人は、1980年にショパンコンクールに出たのですが、これほど大騒ぎになったショパンコンクールは空前絶後。

 ポゴレリチは上手いのです。紛れもなく天才だという評価が後に固まるのですが、あまりに個性的なのです。

 21日の日記で書きましたが、コンクールでは、あまりにも強い個性の人ははじかれてしまう(落選する)ことが多いのです。

 個性といっても、勿論デタラメの個性じゃ話にならないけど、本当の天才的な個性になると、分かる人と分からない人がいるのです。

 それで、ポゴレリチがセミファイナル(第2次予選)を弾き終えて、審査員が揉めに揉めたのです。

 審査員の中に、自分も1965年にショパンコンクールに出て優勝した、マルタ・アルゲリッチという南米・アルゼンチン生まれの、誰もが天才と認める女性ピアニストがいました。

 他の審査員は、ポゴレリチをファイナル(本選)に残すことに反対だったのです。

 「上手いけれども、あまりにも癖が有りすぎる」と。そうしたらアルゲリッチが怒っちゃったのです。ハンパじゃないです。激怒した。

 「あの子をファイナルに残さないなら、私、審査員辞めるわ。あの子は天才よ!」ともの凄い剣幕で、本当に審査員を辞めて途中で帰っちゃった。

 ポゴレリチもファイナルに出られませんでした。

 アルゲリッチの事を、「何という協調性の無さ」、と考えるのは凡人でして(笑)、音楽家に限らず、芸術家というのはもの凄く自己主張が強い人、平たく云えば、一般人から見たら「変人」が多いです。

 それぐらいじゃないと、ダメなんです。

 だからサラリーマン的発想をこういう人たちに適用するのは最初から無理。



 かつて、私は、「天賦の才は、天賦の才を持った人でなければ、なかなか分からない」と書いたことがありますが、この1980年のショパンコンクール大騒動はそれを端的に示しております。

 アルゲリッチが正解でした。

 やがてポゴレリチは希有な才能の持ち主として世界的評価を受けます。

 因みに、このときに優勝したのはダン・タイソンというベトナム人ピアニストでした。

 彼は彼で有名になります。ダンタイソンのことも触れるとキリがなくなるからひとことだけ。

 ベトナム人ですから、当時戦争中ですよね。まともなピアノや練習する場所がなかなか無く、何と、紙に書いた鍵盤で練習したそうです。

 それでも上手いのだから、やはり天才としか云えないですね。ショパンコンクールにはこのような才能が結集するからすごいのです。


◆エー、毎度おなじみ、お薦めCDを・・・・。

 

 ショパンコンクールで上位に入った超一流ピアニストについては、これまでにもお薦めを書いた人がいます。

 マウリツィオ・ポリーニ、今年からN響の音楽監督、つまり今は指揮者もやっているウラディーミル・アシュケナージですね。これは、もう、文句なしに大家です。



 今日は、話題に出したアルゲリッチとポゴレリチを。

 話がそれますが、アルゲリッチは日本好きです。特に大分は別府が気に入ってしまって、毎年日本に来て、別府アルゲリッチ音楽祭というのをやってます。

 リンク先をご覧になると分かりますが、今年は既に終わりましたがもう7回目になるのですね。

 私は、別府とアルゲリッチというのが、最初、どうしても結びつきませんでした(別府には行ったこと有ります。良い場所であることは十分承知してます)。

 つまり、あの「世界的ピアニスト、アルゲリッチ」がホントに毎年日本に来てくれるの?」ということです。

 頭の中が「????」という感覚で訳が分からなくなりましたが、実際、こうして続いているのは有難いことです。

 数年前、この別府音楽祭で、アルゲリッチが有名なチャイコフスキーのピアノ協奏曲を弾いたのをテレビで聴きました。

 伴奏は東京芸術大学という、日本で唯一にして最高のレベルを誇る国立の芸術(音大と美大がある)大学の学生オーケストラです。

 芸大に入ると云うこと自体、殆ど不可能に近いぐらい難しい。ここの学生は当然技術的には既にできあがっていますから、芸大オケを一般の我々が聴くと、プロと変らないと言っていい。

 それでですね。コンサートの後ステージの袖のところでNHKがインタビューしたら、アルゲリッチ先生、機嫌良かったですねー。

 芸術家は誠に気まぐれであります。

 芸大オーケストラを、「最初の音を聴いたときにあまりにも立派なので、びっくりした。世界の一流オーストラのようでした」と激賞していました。嬉しかったです。

 この人がこんなに手放しで褒めることは、殆ど無いのです。

 前置きが長くなりましたが、アルゲリッチはもの凄いテクニックの持ち主でして、所謂クラシック通は「プロコフィエフのピアノ協奏曲第2番」や「ラフマニノフの3番」を薦めたがりますが、これらは、少々取っつきにくいです。

 私がお薦めしたいのは、アルゲリッチが、あらゆる音楽の基礎というか、ピアニストになるなら、ショパンとかシューマンとか、リストとか弾く前に最初に勉強しなければならない作曲家、ヨハン・セバスチャン・バッハ(普通、「J.S.バッハ」と書きます)の作品を録れた、バッハ:トッカータ ハ短調です。

 最初から聞いても良いですが、他にパルティータ2番というのとイギリス組曲というのが入ってます。

 パルティータの第1曲目を聴いてみてください。最初はフォルテの和音で始まりますが、ちょっと辛抱して聴いてください。

 あまり、ボリュームを大きくしないで。すると、次に何とももの悲しく、神秘的に美しいメロディーが流れます。すーっと意識が透明になる感じがします。

 それから、ポゴレリチ。この人は好き嫌いが大きく分かれるとよく言われるのですが、少なくとも、ショパン:24の前奏曲は、誰が聴いてもあまり文句をつけられないと思うのです。

 これは、一曲ずつが短い。通して聴いても、どこから聴いてもいいです。

 強いて云えば、トラックナンバー、16番ですかね。すごいテクニック。びっくりしますよ。

 私は、初めて彼の演奏を聴いた時に、「こんなに上手い人が世の中にはいるのだな」と唖然としました。



 長くなりました。最後までお付き合いいただき、有難うございました。


by j6ngt | 2005-10-24 00:59 | 音楽

「ショパン・コンクール4位 関本さん、山本さん」←想像を絶するほど、立派なことです。

◆記事:ショパン・コンクール4位 関本さん(大阪出身)山本さん(長野出身)

 【ワルシャワ=原口啓太】五年に一度、ワルシャワで開催される第十五回ショパン国際ピアノコンクールの本選結果が二十一日深夜(現地時間)に発表され、

大阪府出身でパリのエコール・ノルマル音楽院を卒業した関本昌平さん(20)、長野県出身でワルシャワのショパン・アカデミーに在学中の山本貴志さん(22)が第四位に入賞した。

 優勝したのは地元ポーランドのラファウ・ブレハッチさん(20)。

一九七五年のクリスティアン・ツィメルマン以来、三十年ぶりの地元の制覇となり、同時にそれぞれの曲目の最高の演奏者に与えられるポロネーズ賞、マズルカ賞、協奏曲賞も受賞した。
 関本さんは大阪府豊能町立東ときわ台小在学中にピアノを始め、ショパン国際ピアノコンクールアジア中学部門金賞。

 山本さんは信州大付属長野中時代まで長野市で過ごし、日本音楽コンクールピアノ部門三位。(産経新聞) - 10月22日15時5分更新


◆コメント:ファイナル(本選)に残るだけでももの凄い事なのですよ。

 

 今日のアクセス解析をみると、関本昌平さんと山本貴志さんを検索して来られた方が非常に多い。 多少はクラシックに関心を持って下さっているのでしょう。

 ショパンコンクールを受けたピアニストは、300人以上いるわけです。

 それではあまりに多いので、普通のコンクールは第一次予選から始まるけれども、ショパンコンクールはその前の段階の予備予選がある。

 ここで220名落とされて80人になる。

 第1次予選で50人落とされて、第2次予選へ進むことができるのが30名。

 第2次予選でさらに18名落とされて、漸く本選(スポーツになぞらえれば、決勝)に出られる。

 本選に残るのは従って、12名しかいない。その3分の1は日本人だった訳です。

 しかし、本選に残るまでには、次の課題曲を弾けるようにしなければならないのです。


◆課題曲

●予備予選

フレデリック・ショパンの作品

・エチュード2曲。下記のグループから各1曲。

a) in C major op.10 no.1

 in C sharp minor op.10 no.4

 in G flat major op.10 no.5

 in F major op.10 no.8

 in C minor op.10 no.12

 in A minor op.25 no.11

b) in A minor op.10 no.2

 in C major op.10 no.7

 in A flat major op.10 no.10

 in E flat major op.10 no.11

 in A minor op.25 no.4

 in E minor op.25 no.5

 in G sharp minor op.25 no.6

 in B minor op.25 no.10

・各自がコンクールで選曲した下記の3曲から、各自2日前に抽選した1曲。

 バラードまたは舟歌 op.60または幻想曲 op.49

 ポロネーズ

 ソナタから第1楽章



●第1次予選(80名以下)

・エチュード2曲。下記のグループから各1曲。少なくとも1曲は予備予選と異なる曲を選曲すること。

a) in C major op.10 no.1

 in C sharp minor op.10 no.4

 in G flat major op.10 no.5

 in F major op.10 no.8

 in C minor op.10 no.12

 in A minor op.25 no.11

b) in A minor op.10 no.2

 in C major op.10 no.7

 in A flat major op.10 no.10

 in E flat major op.10 no.11

 in A minor op.25 no.4

 in E minor op.25 no.5

 in G sharp minor op.25 no.6

 in B minor op.25 no.10

・次のノクターンから1曲

 in B major op.9 no.3

 in D flat major op.27 no.2

 in G major op.37 no.2

 in C minor op.48 no.1

 in F sharp minor op.48 no.2

 in E flat major op.55 no.2

 in B major op.62 no.1

 in E major op.62 no.2

・バラード、舟歌 嬰ヘ長調 op.60、幻想曲 ヘ短調 op.49から1曲

・次のワルツから1曲

 in E flat major op.18

 in A flat major op.34 no.1

 in F major op.34 no.3

 in A flat major op.42

 in A flat major op.64 no.3

・次の中から1曲以上。

 コンサート・アレグロ イ長調 op.46

 子守歌 変ニ長調 op.57

 ボレロ ハ長調 op.19

 エチュード(予備予選及び1次で選んだ曲を除く)

 即興曲 変イ長調 op.29

 即興曲 嬰ヘ長調 op.36

 即興曲 変ト長調 op.51

 ノクターン 嬰ハ短調 op.27-1

 プレリュード op.28より下記のグループから1セットまたは連続する2セット

   a: no.7-12  b: no.13-18  c: no.19-24

 プレリュード 嬰ハ短調 op.45

 ロンド ハ短調 op.1

 ロンド・ア・ラ・マズール ヘ長調 op.5

 序奏とロンド 変ホ長調 op.16

 スケルツォNo.1 ロ短調 op.20

 スケルツォNo.2 変ロ短調 op.31

 スケルツォNo.3 嬰ハ短調 op.39

 スケルツォNo.4 ホ長調 op.54

 タランテラ 変ホ長調 op.43

 ワルツ イ短調 op.34-2

 ワルツ 変ニ長調 op.64-1

 ワルツ 嬰ハ短調 op.64-2

 変奏曲 変ロ長調 op.12

以上を40-45分にまとめること。



●第2次予選(30名以下)

・次のマズルカから1セット

   op.17, 24, 30, 33, 41, 50, 56, 59

・次のポロネーズから1曲

 アンダンテスピアナートと華麗な大ポロネーズ op.22

 ポロネーズ 嬰ヘ短調 op.44

 ポロネーズ 変イ長調 op.53

 ポロネーズ 変イ長調 op.61

・次のソナタから1曲

 ソナタ 変ロ短調 op.35(第1楽章リピートは任意)

 ソナタ ロ短調 op.58(第1楽章リピート不可)



●本選(12名以下)

・下記の協奏曲より1曲

 協奏曲 ホ短調 op.11

 協奏曲 ヘ短調 op.21


◆これを全部弾くわけではないですよ。

 

しかし、予備予選だけでも、エチュード(エチュードとは、本来、「練習曲」の意味の普通名詞だが、

 ショパンコンクールで「エチュード」といったら、ショパンが書いた24曲のエチュードに決まっている)のaグループとbグループから1曲ずつ。そして、3曲目に、

・各自がコンクールで選曲した下記の3曲から、各自2日前に抽選した1曲。

 バラードまたは舟歌 op.60または幻想曲 op.49

 ポロネーズ

 ソナタから第1楽章


ということだから、3曲目は何を弾かされるか、2日前の抽選まで分からない。ということは、全部弾けるようにしておかなければならない。

予備予選を受けるだけでも5曲を準備しなければならないわけです。

そして、予備予選で帰りますというわけにはいかないのです。つまり、受けるからには本選まで残るつもりで準備するわけですね。


1次予選に残ったら、エチュード2曲、ノクターン1曲、バラードなどから1曲、そしてその他の分野の中から最低1曲を選び全部で45分程度のリサイタルにまとめなければいけません。

これは、また最低5曲ですね。その時の選曲のセンスも問われると思います。

とにかく予備と一次予選までで、10曲です。


二次予選では、マズルカ、ポロネーズ、ソナタから各1曲。

本選に残るまでには、13曲準備しなければなりません。13曲といってもね。ポップスじゃないから。

特に2次予選のソナタなんて、30分ぐらいかかるのです。ここまで、弾いて認められた人が本選に出るわけです。


私が、本選まで残るだけで大変なことというのが何となくお分かり頂けたでしょうか?

もっとも曲の数がショパンコンクールだけ、異常に多いというわけではありません。毎コンですら、本選まで残るためにはこれぐらい準備しなければいけないのです。

勿論、練習はもの凄いでしょう。課題曲は、私の知る限り、昨年12月には分かっていたので、全ての出場者は約10ヶ月間、毎日12時間~15時間ぐらい練習していたはずです。勿論休みなど無いです。

大変なのは、これらの曲をただ、間違わないで弾けばよいのではなく、全てに関して音楽性が審査されるということです。

上手いのは当たり前。間違えたり、つっかえないで弾けるというのは最低条件を満たしているだけです。

音楽的に審査員の心の琴線に触れる「何か」がなければ、上位への進出は無理です。こればかりは練習でもどうにもならない。「才能」です。


◆本選は1000人の聴衆の前で、オーケストラ伴奏による協奏曲。

いよいよ、本選になったら、オーケストラと共演。つまり協奏曲を弾かなければならない。

ショパンのピアノ協奏曲は2曲ありますから、そのどちらか。コンチェルトはソロと違って、ずっと弾きっぱなしではないけれど、ソロじゃない難しさがあるわけです。

ピアノに限らず、協奏曲にはソロ・パートがしばらく休みで、オーケストラだけが演奏して、またソロが加わるというような箇所が、必ずあります。


皆出場者は場数を踏んだプロではなく、勉強中の学生さんが殆どですから、オケと合わせたことがない。

下手をすると、ソロを弾き始めるところが分からなくなってしまうこともある。最悪の場合、演奏が止まってしまうのです。

音楽の演奏芸術で、「止まる」以上の大事故はあり得ません。

これは、どうやって練習するかというと、CDに合わせて弾いて練習するのではなくて、友達か誰かピアノの専門家に、オーケストラパートをもう一台のピアノで弾いて貰って、練習するのです。

それでも、やはり本選で、本物のオーケストラと合わせる。しかも1000人の聴衆の前で演奏するとなると、まるで緊張感が違います。



こうして考えてくると、これだけの試練を経て、最終審査にのこりしかも4位に入賞すると云うことは、並大抵ではありませんね。

先日書きましたが、1985年のショパンコンクールで入賞した小山実稚恵さんも4位でした。

彼女は今回入賞したお二人と違って、海外留学経験がなくて、4位になったのです。

日本で日本人の先生にだけ習ってチャイコフスキーコンクールとショパンコンクール両方に入賞したのですから、やはり並の人物ではありませんね。



勿論、関本さん、長野さんの健闘ももの凄く立派です。

入賞しなくてもショパンコンクールのファイナリストになったというだけで、大変な努力と才能が必要なのです。

国籍など無関係に全員の栄誉を讃えたいと思います。


by j6ngt | 2005-10-23 01:19 | 音楽

「議員年金の来春廃止、与党内で異論続出」←弱者イジメ法案を審議しておきながら、勝手なことを云うな。

◆記事:議員年金の来春廃止、与党内で異論続出(日経)

 

 国会議員互助年金(議員年金)の廃止問題を巡り自民、公明両党内で20日、

 段階的廃止の当初案を急きょ撤回し来年4月に廃止する方針を打ち出した執行部への異論が相次いだ。

 旧橋本派衆院総会では小坂憲次国会対策副委員長が「ポピュリズムの改革競争を危惧する」と指摘。

「首相官邸から一声あったようだが、これまでの議論はどうなるのか」など同調する声が相次いだ。

高村派総会でも高村正彦会長が「老後に備えてサイドビジネスに励む議員の姿が目に浮かぶ」と批判した。 (07:02)


◆コメント:障害者の負担を増やしておきながら、自分たちの年金がなくなるのは嫌なのだそうだ。

 

 与党の諸君、出ましたね。本性が。

 皆さん、小泉君の「聖域無き構造改革」に賛成だったのではないのか?

 「改革には痛みを伴う」と云っているのは、小泉君で、その小泉純一郎君をつい最近首班指名したのは、みなさんでしょう?

 選挙後の臨時国会で、矢継ぎ早に弱者イジメの法案を審議し、可決したものもありますよね?先生方。

 給与が減って、預金や貯金を取り崩して生活しているサラリーマンの「定率減税廃止」、「高齢者の医療費本人負担増」、「終末医療費削減」、

 月収10万円の障害者からも、もっとカネを取る「障害者自立支援法」、とやりたい放題じゃないですか。

 7年連続で自殺者数が3万人を越えている先進国など、他にないのですよ。

 散々弱者を痛めつけておきながら、自分たちの国会議員年金がなくなるのは、嫌だ、とおっしゃる。

 自分の事しか考えていませんね。

 いい加減にしろよ。馬鹿野郎。


◆衆院選とその後の行動で、政治家の汚さと信頼性のなさがはっきりしてしまった。

 

 郵政民営化法案に反対し、選挙期間中も反対だと云い続けて、刺客に何とか勝って当選したというのに、復党したくて賛成に転じた議員。

 彼らのことは最早、誰も信用しない。政治家として存在価値が無い。

 無所属で当選して、なお反対票を投じたのは平沼赳夫議員ただ一人。

 平沼議員は昨日発売の週刊文春で、

「自民党執行部から随分と賛成」に投じるように云われたが、ここで選挙時の公約を破ったら、政治家としては、『死』に等しい。これで、除名になるなら、『男子の本懐』だ」

 と書いていた。

 平沼氏の事務所には、よくぞ筋を通してくれた、と激励、賞賛のメールが殺到しているらしい。そうだろうと思いますね。

 公約を守っただけの話で当たり前のことをしただけではないか、と書いているブログもあったが、私は平沼氏の行動は、賞賛に値すると思う。



 今回の衆議院解散、選挙が行われたこと自体、小泉首相の解散権の濫用で、それは一番いけないことなのだが、この選挙が行われた結果、如何に、政治が汚い世界であるかが、見事に明らかになった。

 また、国会議員の言葉など、如何に信用できないか、ということを国民の前にさらけ出してしまったことは、皮肉なことだが、結果的には良いことだったのかも知れぬ。


by j6ngt | 2005-10-22 10:30