カテゴリ:戦争( 2 )

「テロ特措法1年延長を閣議決定 」「小澤征爾氏の「音楽塾」、北京で初の公演」 武器より、「楽器」

◆記事1:テロ特措法:1年延長を閣議決定 政府

 

 政府は4日の閣議で、11月1日に期限切れとなるテロ対策特別措置法を1年間延長する同法改正案を決定した。今特別国会での成立を目指す。

 同法は海上自衛隊の補給艦が、インド洋でテロリストの移動や武器輸送を阻止する活動にあたる米国やパキスタンの艦船に補給活動を行う根拠となる法律。

 01年9月の米同時多発テロを受け、同年11月に2年間の時限立法として施行。03年に2年間延長されたが、今回の再延長では1年間の延長となった。

 大野功統防衛庁長官は4日の記者会見で「国際的に評価されており、ニーズもある」と活動を継続する必要性を強調。

 そのうえで延長幅を1年間とした理由を「きちっと国会で議論していただこうと区切りをつけた」と説明した。

 防衛庁によると3日現在、外国艦船に対する燃料補給は計550回で約41万キロリットル(約162億円)で、補給先は米、英、仏、パキスタンなど11カ国。

 昨年12月からは艦艇搭載ヘリコプターへの給油も実施しており、24回で370キロリットル(約1700万円)を給油した。

 また、大野長官は、自衛隊が時限立法によらず国際平和協力活動を行うための恒久法の制定について、

 「(海自の補給活動も)本来ならばそういう形(恒久法)が望ましいが現行の体制でベストな選択は時限立法しかない。

 これから考えなくてはいけない重要なポイントだ」と述べ、今後の検討課題との認識も示した。毎日新聞 2005年10月4日 10時29分 (最終更新時間 10月4日 11時06分)


◆記事2:小澤征爾氏の「音楽塾」、北京で初の公演

 世界的に有名な指揮者、小澤征爾氏の率いる「音楽塾」が2日、北京保利劇院でオペラ「セビリアの理髪師」を上演した。

 北京の観客にとっては、国慶節(建国記念日)への音楽の贈り物だ。上演後、感激した観客からとどろくような長い拍手が送られた。「音楽塾」はこの後、10月上旬に天津、上海でも歌劇の上演や音楽会を開催する予定。(編集UM) 「人民網日本語版」2005年10月3日


◆コメント1:自衛隊を海外に派遣することが、国際平和に役立っているのだろうか

 

 政府は9月15日に、11月1日が期限であるテロ対策特別措置法の再延長を決めた。再延長ということは、つまり延長するのが2回目ということだ。

 テロ対策特別措置法は、2001年9月11日の同時テロの後、犯人はアフガニスタンに潜伏しているビンラディンが率いるタリバンだろう(憶測だった)ということになった。

 アメリカは大量の兵士をアフガニスタンに送り、テロリスト掃討作戦を実施することになった。

 小泉首相は「アメリカの要望に添って」、もし、先日亡くなった後藤田官房長官がもしも現役だったら、どんなことをしても止めさせたであろう、海上自衛隊のインド洋派遣を決めた。

 これは、アメリカ軍の後方支援であり、広義の武力支援とさえいえる。違憲である。

 それから、2年後、つまり今から2年前の2003年10月3日に衆議院本会議で、延長が可決された(その時のいきさつは、2003年10月05日(日)に書いたのでご参照下さい)。

 2003年10月05日(日)の日記でも書いたが、当初はアメリカの軍艦に給油するだけだったが、

 「アメリカの要請に応じて」、イージス艦という最新鋭の駆逐艦まで派遣したのである。映画となった「亡国のイージス」のイージスとはこのイージス艦のことだ。

 私は軍事・兵器に特別な興味はないから、通り一遍のことしか書けないが、イージス艦は極めて高度な情報収集能力を有し、また、攻撃も可能である。

 攻撃をしたら、武力行使であり完全な違憲行為であるからやらないだろうが、やろうと思えば自分に向かって飛んでくるミサイル10基を同時に撃墜することも出来る。

 イージス艦を英語で何といいますか?"Aegis destroyer "です。「破壊者」なんですよ。

 直接に武力を用いてはいけないことは、当然だが、イージス艦が収集した情報を米軍のアフガンテロ掃討作戦のために提供することも、武力行使の一端を担っているわけで、違憲である、と私は考えている。

 イージス艦のことを除外して考えたとしても、記事1に書かれているとおり、この4年間で、海上自衛隊は、11カ国の艦船(軍艦ですよ)に合計541回の給油を行った。


 重油の総量は47万キロリットルで金額にすれば約160億円にも及ぶ燃料を、無償で行ってきた。

 要するに、4年間世界の軍艦のための無料ガソリンスタンドとして海上自衛隊は派遣されているといっていい。

 それでも、アメリカもどの国もア、アフガニスタンの旧タリバン勢力を一掃することが出来ずていない。何時までにできるかという、アメリカの説明もない。



 このような目処の立たない、アメリカの武力攻撃を支援するためにテロ対策特別措置法の延長を繰り返すことが、小泉首相のいう、「国際貢献」なのだろうか。

 何故、再度延長しなければいけないのか、小泉純一郎内閣総理大臣から、論理的に納得のゆく説明をしていただきたい。


◆コメント2:武器より楽器。

 

 小澤征爾氏が10月に中国公演することは、7月にプレスリリースがあったので、知っていた

 彼は以前、手兵ボストン交響楽団と中国公演をしたり、もう、ずいぶん何回も中国人に本物の西洋音楽を聴かせている。

 私は以前、「芸術は憎悪をも溶かす。」という同じく指揮者の岩城宏之さんのエピソードを書いた。

 互いに憎悪をむき出しにしていても、永遠に問題は解決しない。それは、アラブ・イスラエル紛争を見ても明らかだ。

 記事2を見よ。人民日報が手放しで絶賛している。

 「上演後、感激した観客からとどろくような長い拍手が送られた。」

 いくら、他人や他国を理屈や暴力で押さえつけようとしても、無駄だ。

 平和をもたらすものは暴力でも口論でもなく、芸術であると、私は思う。


by j6ngt | 2005-10-05 01:38 | 戦争

「きけ わだつみのこえ」を読んだことがありますか?(その2) 書き写したから読んでみて下さいな。

◆読んで下さいと言っても、なかなか読んでもらえないようなので・・・。

 

 表題に「(その2)」を付けたのは何故かというと、「きけ、わだつみのこえ」に関してはちょうど2年前にも書いたからである。

 二年前は、まだ、この日記(今はココログとエキサイトブロッグにも同じ文章を載せている)は、今ほど多くの方に読んで頂いていなかった。

 今は、有難いことに、何百人もの方が毎日、駄文に目を通してくださる。

 そこで、再び、「『きけ、わだつみのこえ』を読んで下さい」と訴えたい。

 私が読んだ本の中で、これほど「戦争の悲惨」を強く、直裁的に、読者に訴える書物は他に無いと思うからである。今回は、2年前よりも手間をかけた。原文を引用する。


◆「きけ わだつみのこえ」とは何か。 

 

 この本は何かというと、戦没学生の遺書を本にまとめたものである。右も左も、何の宗教も関係が無い。

 太平洋戦争後期から、一般の大学生が徴兵された。学徒動員という。

 6000人もの10代・20代の若者が無理矢理(表向きは非常に「名誉なこと」と言わなければならなかった)特攻隊に「志願」させられた。

 「どうせ」敵艦につっこんで死ぬ訳であるから、片道分の燃料しか積まない戦闘機に乗り、飛行機ごと、敵陣に突っ込んで「玉砕」した。

 しかし、多くは、相手に突っ込む前に敵に打ち落とされた。全くの犬死であった。 

 亡くなった若者の多くは、いざ明日出撃する、つまり、「明日自分は死ぬのだ」、と確実に分かっている状況で、驚くほど理路整然と、如何に戦争が下らないかを説き、一刻も早く日本はこのバカな戦争を止めるべきだと訴えている。

 「きけ わだつみのこえ」は複数の出版社から刊行されている。

 どれでも良いが、一番手に入りやすいのは岩波文庫である。

 また、最近、電子書籍になっていることを発見した。

 電子書籍というのは、規格が統一されていないので、苛立たしいところがあるけれども、これは、e-booksである。

 ここに、新版 きけ わだつみのこえ 日本戦没学生の手記及びその第二集がある。


◆そうはいっても、お金を払ってまで読みたくないと言う人のために、私が引用します。

 

「きけ、わだつみのこえ」の冒頭に掲載されている、あまりにも有名な名文を、途中一部カットして、そのまま転載させていただく。

 著者は、 上原良司(うえはらりょうじ)氏。

 1922(大正11)年9月27日生。長野県出身。

 慶應義塾大学予科を経て、1943(昭和18)年、経済学部入学。

 1943年12月1日、松本第五〇連隊に入隊。

 1945年5月11日、陸軍特別攻撃隊員として、沖縄嘉手納湾の米機動部隊に突入戦死。陸軍大尉。享年、22歳。


◆この格調高い文章を書いたのは22歳の青年である。この青年は翌日、沖縄の海に散った。

 

以下、引用する文章を読むにあたり、よーく覚えておいていただきたいのは、
 


  • この文章を認めた青年は、翌日、自分の生命が、国家の強制により確実に失われることを知っていた(つまり、完全に死を覚悟している)、ということ。

  •  この文章を書いたとき、僅か22歳だったこと。その驚くべき精神的習熟。すでに確立した、自己の思想を持っていた、ということ


 である。

 【引用はじめ】
 所感

 栄光有る祖国日本の代表的攻撃隊ともいうべき陸軍特別攻撃隊に選ばれ、身の光栄これに過ぐるものなきを痛感いたしております(引用者注:筆写の本心は正反対だが、とりあえず、冒頭にこのようなことを書かないと、検閲にひっかかり、家族の手に届かない恐れがあったのだ)。

 思えば長き学生時代を通じて得た、信念とも申すべき理論万能の道理から考えた場合、これはあるいは、自由主義者と言われるかも知れませんが、自由の勝利は明白の事だと思います。人間の本性たる自由を滅ぼす事は絶対に出来なく、例えそれが抑えられているがごとく見えても、底においては常に闘いつつ最後には必ず勝つということは、彼のイタリアのクローチェ(注:イタリアの哲学者。1986-1952)も言っているごとく真理であると考えます。

 権力主義全体主義の国家は一時的に隆盛であろうとも、必ずや最後に敗れることは明白な事実です。我々はその審理を今次世界大戦の枢軸国家(日本・ドイツ・イタリア。つまり、三国同盟を結んだ国)において見ることが出来ると思います。ファシズムのイタリアは如何、ナチズムのドイツはまた、既に敗れ、今は権力主義国家は土台石の壊れた建築物のごとく、次から次へと滅亡しつつあります。

 真理の普遍さは今、現実によって証明されつつ、過去において歴史が示した如く、未来永久に自由の偉大さを証明して行くと思われます。自己の信念の正しかったこと、この事はあるいは祖国にとって恐るべき事であるかも知れませんが、吾人(引用者注:「我々」の意)にとっては嬉しい限りです。現在のいかなる闘争もその根底を為すものは必ず思想なりと思う次第です。既に思想によって、その闘争の結果を明白に見る事が出来ると信じます。

 愛する祖国日本をして、かつての大英帝国のごとき大帝国たらしめんとする私の野望はついに空しくなりました。真に日本を愛する者をして立たしめたなら、日本は現在のごとき状態にはあるいは追い込まれなかったと思います。世界どこにおいても方で風を切って歩く日本人、これが私が夢見た理想でした。

 特攻隊のパイロットは一器械に過ぎぬと一友人が言ったことは確かです。操縦桿を採る器械、人格もなく感情もなく、もちろん理性もなく、ただ敵の航空母艦に向って吸いつく磁石の中の鉄の一分子に過ぎぬのです。理性を持って考えたなら実に考えられぬ事で、強いて考うれば、彼らの言うごとく自殺者とでも言いましょうか。精神の国、日本においてのみ見られる事だと思います。一器械である吾人は何も言う権利もありませんが、ただ願わくば愛する日本を偉大ならしめられん事を、国民の方々にお願いするのみです。

 こんな精神状態で征ったなら、もちろん死んでも何にもならないかも知れません。故に最初に述べたごとく、特別攻撃隊に選ばれたことを光栄に思っている次第です
。 

 飛行機に乗れば器械に過ぎぬのですけれど、いったん下りればやはり人間ですから、そこには感情もあり、熱情も動きます。

 愛する恋人に死なれたとき、自分も一緒に精神的には死んでおりました。天国に待ちある人、天国において彼女と会えると思うと、死は天国に行く途中でしかありませんから何でもありません。

 明日は出撃です。

 勿論発表すべきことではありませんでしたが、偽らぬ心境は以上述べたごとくです。なにも系統だてず、思ったままを雑然と並べた事を許して下さい。

 明日は自由主義者が一人この世から去って行きます。彼の後ろ姿は淋しいですが、心中満足で一杯です。

 言いたいことだけを言いました。無礼をお許し下さい。ではこの辺で。

 出撃の前夜記す

 【引用終わり】


◆コメント:これでも、日本の憲法を変えて、戦争が出来る国に逆戻りするべきだと思いますか?

 

 最近は、想像力の乏しい若者が多い。

 戦争がいかなる悲劇かをよく考えないで、日本に集団的自衛権の行使を認めるべきだとか、交戦権を認めるべきだとか、核武装するべきだとか、、好戦的な主張をする人がいる(それ自体は、今の日本では思想の自由を侵してはならないから、許されることなのだ。残念ながら)。

 しかしながら、上に引用した、故・上原良司氏の文章を読めば、「戦争になると、国家は個人に対して、どんなにやりたいことがあっても、どんなに大切な家族がいても、死ぬことを強要する」、と言うことが分かる筈である。22歳にしてこれほど、思想を錬磨した優秀な人材が、何千人も無駄に死なされたのである。それが戦争である。かかる悲惨が繰り返されて良いとは私には思えない。
 上原氏の文章を読んで、なお、「戦争をしたい」という人は、気の毒だが知能が低いか、人間の悲しみを理解する感受性が欠落しているのではないかと思う。

 上原氏の遺書は、何百ページにもわたる「きけわだつみのこえ」の、最初のたった一文だけである。このあと、延々と、涙なくしては読めない文章が続く。

 日本を戦争が出来る国に逆戻りさせたいと考える思想の自由は認める。しかし、そう主張する前に、きけわだつみのこえは読むべきである。

 それでも、戦争をしたいのなら、戦争になったら、まず自分から志願して下さい。と申し上げる。 

 もう一つ。

 小泉内閣の支持率が上昇しているそうだが、彼は憲法九条を改正し、自衛隊を軍隊を呼び、日本の集団的自衛権の行使を認めようとしている人物であることを、思い出していただきたい。


by j6ngt | 2005-08-15 20:00 | 戦争