北朝鮮拉致工作員が日本の国会で証言したというのに、妙に皆さん無関心だね。

◆記事:<北朝鮮元工作員>拉致は15人 安明進氏が拉致委で初陳述

 

 北朝鮮の元工作員、安明進(アンミョンジン)氏(36)が28日、衆院拉致問題特別委員会で参考人として意見陳述した。自らの目撃などで拉致確実とする被害者は、横田めぐみさん(行方不明時13歳)や市川修一さん(同23歳)ら15人に上るとしたうえで、「日本が経済制裁を発動しないのは、被害者を救出せず放置することを意味する」と述べた。安氏の国会での陳述は初めて。 

 安氏は、在籍した工作員養成学校の金正日政治軍事大学について「日本人拉致は(教官らの)自慢の種になっていた」と話し、被害者の役割を「海外工作員の日本語教官として勤務していた」と述べた。さらに、周囲の話から、拉致された日本人は30人以上に上るとの見解を示した。

 安氏が拉致確実とした被害者は、横田さんや市川さんのほか、増元るみ子さん(同24歳)、田口八重子さん(同22歳)、4月に16人目の拉致被害者として認定された田中実さん(同28歳)、特定失踪(しっそう)者問題調査会が「拉致濃厚」とする加藤久美子さん(同22歳)、古川了(のり)子さん(同18歳)ら。

 安氏は87年、工作員に選抜され同軍事大(当時は別名)に入学。93年に卒業し工作機関の朝鮮労働党作戦部に配属されたが同年9月、作戦の途中で韓国へ亡命した。(毎日新聞) - 7月28日18時18分更新


◆コメント:日本人を拉致した本人が、日本の国会で証言したんだぜ?

 

 これほど、劇的なことはない。動かぬ証拠である。

 安明進氏のことはこの日記でも、何度も取り上げた。2004年4月24日「独裁者にとって最も恐ろしい兵器とは、何者かが住民たちに正確な情報を提供してしまうことだ」04年11月24日「北朝鮮元工作員 安明進氏『横田めぐみさんは生きている』」 

 この他、04年12月15日今年の6月24日「炎天下5時間…拉致被害者家族らの座り込み1日目終了←小泉、お前はそれでも人間か?」で、安明進氏に触れた。

 本当のことを言っているか分からないではないか、と言う人は、安明進氏が書いた、北朝鮮拉致工作員をいう本をとにかく読んで見ると良い。

 1997年、彼が証言したことにより、横田めぐみさんらが北朝鮮に拉致され、北朝鮮の工作員に主に日本語や日本の風俗習慣を教える役目に就かされていることが明らかになったのだ。


◆ここまで、はっきりとした証言が行われて、本気で被害者を救出しようとしないのなら、内閣総辞職しろ。

 

 今日の証言と、上で紹介した本の内容とはピタリと符合しており、特に本は、あまりにも細部に亘って書かれており、到底ウソとは思えない。



 それにしても、横田めぐみさんのご両親は、何と心の優しい方々なのだろうか。

 初めて、安明進氏と横田夫妻が対面したのは、ずっと前のことだ。

 安明進氏は、何しろ、自分が日本人を拉致していた張本人(横田めぐみさんを拉致したのは安氏の教官だが)なのであるから、横田夫妻にどれだけ罵声を浴びせられても仕方がないと覚悟していた。 

 ところが、めぐみさんの母上、横田早紀江さんの口から、安明進氏に発せられた最初の言葉は、「貴方も、ご家族を(北朝鮮)に残して来られて、さぞやお辛いでしょう?」という慰めの言葉だった。

 余りの温情に安氏は感極まり、その場で号泣したという。

 安明進氏は先日、炎天下での座り込みにも参加し、今日は、国会で証言し、自らの生命を危険に晒しているのだが、そこまで、彼を動かしたのは横田さんご夫妻のお人柄と必死さだろう。



 父君の横田滋さんは、あまりにも好人物で、見ていて気の毒でたまらない。

 以前、在日朝鮮人・韓国人(3世で拉致とは勿論関係が無い)と話しているときに、横田滋さんは、「拉致問題を理由に、罪もない在日朝鮮人の方々が言われ無き差別を受けるようなことは、決して、あってはならないことだと思います」と仰っていた。理屈はそうなのだが、なかなか言えることではない。ところが、横田さんは本心からそう思っておられるのが分かり、私は、どうして、このようなご夫妻が、かくも残酷な運命に翻弄されなければならないのか、と考え、落涙を禁じ得なかった。



 人の世は住みにくく、このような「いい人」が損をする。

 私は日本政府が動かない、一つの大きな理由は、横田めぐみさんのご両親があまりにも優しく、つまり、脅威に感じないからではないかと言う気がして仕方がない。

 そうだとしたら、政治家や、役人どもや、拉致問題を見て見ぬふりをする全ての奴は、人間の屑だ。


by j6ngt | 2005-07-29 00:56 | 北朝鮮


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