二度と戦争をしてはならない』と強く思った。」(首相)←硫黄島まで行かないと分からないのですか?

◆記事:硫黄島で戦没者追悼式、首相ら100人が出席

 

 小泉首相は19日、太平洋戦争で日米両軍が激しく戦った硫黄島(東京都小笠原村)を訪れ、政府主催の「戦没者追悼式」に出席した。

 現職首相の硫黄島訪問は初めて。首相は「終戦から60年が過ぎ去った。悲惨な戦争の教訓を風化させることなく、各国との友好関係を発展させ、世界の恒久平和の確立に積極的に貢献する」とあいさつし、「不戦の誓い」を新たにした。

 硫黄島では日本側2万1900人、米側6821人が戦死した。

 首相は式典を終え、米兵戦死者のための「米軍将兵の碑」などを訪れた後、「すさまじい、苛烈(かれつ)な戦闘地だった。戦った兵士を思うと、『二度と戦争をしてはならない』と強く思った。日本軍も米軍も、祖国、家族のため、心ならずも戦わざるを得なかったのだろう」と記者団に語った。(読売新聞) - 6月19日20時23分更新


◆コメント:「二度と戦争をしてはいけないと思った」?その割には、自民党って物騒なことばかり言ってますね。

 

 小泉首相は、首相就任当時から、「集団的自衛権を行使できるようにして、国際貢献」したい、というようなことを何度も言っている。

 自民党のホームページで憲法調査会の議事要旨というのを、面倒くさいけど、読んでみると、大部分の奴は集団的自衛権の行使は当たり前といっている。

 「集団的自衛権」とは、「自国と密接な関係にある他国に対して第三者による武力攻撃があった場合に、自国が直接に攻撃されていなくても、第三者による武力攻撃を実力をもって阻止・排除する権利」である。

 要するに、連帯保証人みたいなもので、日本が攻撃されていなくても、日本と密接な関係にあるアメリカが戦争を始めたら、これを助けるために、世界の何処へでも自衛隊を派遣しなければならない。どう考えても、日本が戦争に巻き込まれるのは不可避であるといっていい。



 しばしば、日本が攻撃されたときに、日米安全保障条約にのっとって、米国と共同して、我が国を守るのが、「集団的自衛権の行使」だ、という意見を読むが、違う。

 日本が他国から侵略・攻撃されたときに、日本国民の生命を守るのは、日本国にとって、個人における正当防衛と同じで、当たり前であり、これは、日本国の個別的自衛権の行使である。アメリカがこれを助けるのは、「アメリカの集団的自衛権の行使」である。

 集団的自衛権の行使を認めることが国際貢献になるというのもよく小泉さんは言っているが、繰り返すけれども集団的自衛権の行使とは戦争の助っ人をするということで、戦争に加わると言うことは、人殺しの手伝いをすることに、他ならない。そんな国際貢献はしなくても良い。そもそも、有事の際にアメリカが本気で日本を守ると思っているのがおめでたい。


◆イラク戦争を支持した結果どうなったか?

 

 イラク戦争は、アメリカがイラクに大量破壊兵器がある、と言いがかりをつけて始めた戦争で、日本政府は世界で一番早く、公式にこれを「支持する」と言ってしまった。

 しかしながら、結局、最終的に大量破壊兵器は見つからず、何のことはない、一番の大量破壊兵器はアメリカ合衆国そのものであったという喜劇だった。

 日本はそれでも、あの戦争は正しかったといっているが、バカではないか?

 Yahoo!ニュースのトピックスで、イラク戦争という項目があるから、これを「はてなアンテナ」にでも登録して、毎日点検するといい。

 毎日、毎日、これでもか、というほど、人が死んでいる。

 イラクの主権は昨年六月にイラクに委譲されたのであるが、どういう根拠があるのか分からないが、アメリカはイラクに居座り続けている。

 昨日もイラクの武装勢力を50人殺害した、と得意気に発表している。本当に人殺しが好きな国だ。


◆武力を提供しても国際平和をもたらすことはない。

  

 Yahoo!ニュースのイラク戦争を毎日読んでいれば、世界一の経済大国であり、軍事大国であるアメリカが、圧倒的な兵力を用いても、イラク人を屈服させることは出来ず、イラク人のアメリカ人への憎悪がつのり、悪循環に陥るばかりだ、ということが分かるはずで、そういう国に集団的自衛権でおつきあいしていたら、仲が良かったイラクと日本の仲まで悪くなるばかりである。


◆結論:「二度と戦争をするべきではない」と考えるのなら、憲法改正して、自衛隊を軍隊にして、集団的自衛権の行使を可能にすることなど止めるべきだ。

 

 自民党には危ない奴が大勢いて、前・防衛庁長官だった石破茂などという軍事オタクの元銀行員は、防衛庁長官になる以前、2002年5月の衆議院憲法調査会で、「国を守ることが奴隷的苦役であるような国なら、国家に値しない」と発言して物議を醸した。

 これは、従来の政府見解は、「徴兵制は本人の意思に反し、兵役という役務の提供を義務付けるもの」であるため、強制的な苦役を禁止した憲法18条などに反する」という解釈に異を唱えているだ。危ない奴でしょう?

 因みに、憲法18条は次の通り。

 第十八条 何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない。

 もしも、小泉首相が、今日硫黄島で言った「二度と戦争をするべきでないと思った」というのが本心ならば、憲法第九条を改正して、自衛隊を軍隊にして、武力の行使を容認して、徴兵制を施行して、集団的自衛権の行使を認めるなどという政策は、その思想の正確に180度逆を向いているのであるから、絶対にやってはいかん。と私は考えます。


by j6ngt | 2005-06-19 23:43


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