「イラク訪問、将来いつか」 自衛隊派遣期間延長の記者会見では、安全だといっていましたね?

◆記事1:首相「イラク訪問、将来いつか」(12月22日 (水)日経)

 

 小泉純一郎首相は22日、自衛隊が活動中のイラク南部サマワの訪問について「将来いつかの時点で。できれば」と表明した。ただ、具体的な時期に関しては「総合的に考える」として治安情勢などを慎重に見極める考えを示した。記者団の質問に答えた。 (20:45)


◆記事2:イラク人道復興支援特措法に基づく対応措置に関する基本計画の変更について(12月9日の記者会見より抜粋。首相官邸ホームページ)

 まず第1に、自衛隊の活動する地域は非戦闘地域でなければならない。現在も、非戦闘地域でありますから、国会における答弁におきましても「自衛隊が活動する地域は非戦闘地域である」という答弁をしてまいりました。

 私は、今後もこの非戦闘地域の状況が続くであろうと判断いたしました。もちろん、予断を許さない厳しい状況であります。


◆コメント:「サマワは非戦闘地域で安全」ならば、早く行けばいいじゃないですか?

 

 小泉首相がイラクを視察したい、と言い出した。何故か?

 小泉首相の生命線は何かと言えば「人気」である。

最近の毎日新聞の世論調査によれば、小泉首相を支持すると答えた人が小泉内閣発足以来、初めて4割を切った。生命線に翳りが見えつつある。

韓国の盧武鉉大統領は今月8日、ヨーロッパ歴訪の帰途、突然イラクに寄り、駐留している韓国の兵士達が大喜びしたのみならず、韓国国内でもこの行動については評価が高い。

 また、昨日は英国のブレア首相がバグダッドを電撃訪問して、選挙の準備に追われているイラク側の関係者を激励した。

ブレア首相がバグダッドを訪れたのはこれが初めてだが、英国軍が主に駐留しているイラク南部の街、バスラは既に2度訪問している。

イラクに派兵している主だった国で、指導者が現地を訪問していないのは、日本だけなのだ。

 ここらでひとつ、イラクを訪問して、人気の回復を図りたい。というのが、急にイラクを訪問したいと言い出した主な理由であることは、容易に推察できる。


◆今までにも、イラクを視察する機会はいくらでもあったでしょう。

 細田官房長官は、小泉首相のイラク訪問発言について、「現地の活動を自分の目で見たいという意志があるということだ」と説明したそうだが、何を寝ぼけた事をいってやがる。 

最初に航空自衛隊の先遣隊が日本を発ったのは、昨年の12月26日なのである。

首相は自衛隊の最高指揮官である(自衛隊法第3条)上に、イラク復興支援特別措置法第9条には、「配慮事項」として、



「内閣総理大臣及び防衛庁長官は、対応措置の実施に当たっては、その円滑かつ効果的な推進に努めるとともに、イラク復興支援職員及び自衛隊の部隊等の安全の確保に配慮しなければならない。 」



 

 と明記されている。

厳密に解釈すれば、昨年、自衛隊の派遣を閣議決定する以前に首相又は防衛庁長官は自ら、現地の様子を視察するべきであった。

実際には、十数回にも及ぶ調査団(自衛官や外務官僚その他)がイラクへ赴き、調査結果を報告しているのだが、首相ははじめから、自衛隊を派遣する、と決めていたので、「都合の悪い」情報は、報告しなかった可能性が濃厚である。

百歩譲って、事前に首相自らが足を運ぶのが、困難だったとしても、その後、今までの間に、自衛隊の宿営地のそば、又は宿営地の敷地内に迫撃砲や一番最近では、ロケット砲が合計8回も撃ちこまれている。

その度ごとに首相は「サマワは安全」を繰り返していたが、何の根拠もない訳で、自衛隊の最高指揮官として、自衛官の生命を左右する立場にある人間としては、このときこそ、自ら状況把握するために、現地を往訪するべきだった。

首相は多忙で、イラクへ行くヒマがなかったかといえば、そうは思えない。

8月には17日間の休暇を取り、その間は都内のホテルでアテネオリンピックをテレビ観戦していた。

9月13日からはブラジル・メキシコ・アメリカ歴訪という、首相就任以来、最も長期にわたる外遊を行ったが、ブラジル・メキシコ往訪に緊急性は認められない。

 ブラジルなどイラクより余程遠いところへ出かけて、現地の日本人、日系人の歓迎を受けて感涙にむせんでいるヒマがあったら、イラクの状況を視察することも出来たはずである。 従って、多忙であるが故に、今までイラクへ行けなかったという弁明は、通用しない。

今頃になって、ようやくイラクへ行くと言い出したが、「総合的に」現地の治安情勢などを配慮して、時期を決定するという。

自衛隊の派遣期間を延長したときに、「サマワは非戦闘地域で、その状態は今後も続くであろう」と云っていたのは、首相自身である。今更「治安情勢」などを「総合的に判断」しなければならない、というのは、理解しかねる。

逆の言い方をすれば、実は、自衛隊が駐屯している場所は、それほど安全ではない、ということを、首相自ら認めているようなものである。

 記事1はそういう意味で、小泉首相が完全に「ボロを出した」瞬間である、と見ていい。

必ずしも安全ではない場所への自衛隊派遣を、いきなり一年間延長した、とあっては、無責任のそしりを免れない。


by j6ngt | 2004-12-23 06:24 | ニュース


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